午後、スーパーへ買い物に行くと、缶チューハイが安く売られていた。 自家製の梅酒も無くなってしまった事だしと、数年振りにチューハイを買った。 セブンイレブンの海鮮ごのみと二度づけえびみりん焼きを食べたくなったので、少し遠回りしてコンビニに寄った。 目的の物を買ってさっさと帰ろうと思ったら、店内に足を踏み入れた途端、何だかとってもいい匂い……! レジのカウンターの向こう側で、何かを焼いているようだ。 会計の時に、思わず身を乗り出して、 「あれ何ですか」 と訊いてしまっていた。 店員さんは笑顔で教えてくれたのに、品名を思い出せない。 聞いていなかったのかよ。大丈夫か、私。 1本下さい、とお願いして、ほくほく顔で帰途に着いた。
帰宅してすぐ、冷めないうちに食べてみた。 美味しい……! そして急に飲みたくなった。 お天道様はまだ空にいるが、買って来た缶を開け、チューハイを流し込む。 うめえ。 一寸遅いお三時という事で。
さて、主人が帰って来る前に、証拠隠滅しなければ。 空き缶を洗って、流しの隅に逆さまに立て掛けた。 あらかた乾いたらエコバッグに入れて、明日スーパーの回収箱に入れよう。 と思っていたのに、乾く前に主人が帰って来てしまった。というかそのまま忘れていた。 そして普段は明き盲なくせに、そういう時に限って視力が良くなる主人。 目敏く空き缶を見付け、 「こんな時間から飲んでいたのか、シオン……」 と呆れ顔。 「ご、ごめんなさいっ。貴方が汗水流して働いている時に、貴方の稼ぎで酒なんぞ飲んで。お詫びに腹を切」 「いやいいから。別に汗水流していないし〜。それよりお腹減った。早くご飯にしようよ」 寛大な亭主で良かった。
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