ある日の朝。 ふうっと夢から覚めた。 カーテンの向こうが明るい。 隣で主人が目を覚ました気配がしたので、声を掛けた。 「ね、今何時? 目覚まし鳴った?」 「ううん、まだ。今シオンがボーンって言ってたけれど」 「?」 「シオンが自分でね、『ボーン……ボーン……ボーン』って言って、それから『今何時?』って言ったんだよ」 えっ。 「今何時?」は言った。それははっきりと覚えがある。 でもその直前に言ったという「ボーン」は知らない……! 「ねえ! それホントに私が言った? 私が言ったの?ボーンて」 「うん。ふにゃぁ、何か聞こえるなあと思って目が覚めたら、シオンが『ボーン……今何時?』って。いやいや、それ言ったの時計じゃなくて自分だから」 「えー! 覚えてない!!」 目覚ましが鳴る前だったが、うひゃひゃと笑い転げたので、すっかり目が覚めてしまった。
折角早起きしたと思ったのに、お米を研ぐのを忘れていて、結局お弁当は持たせられず。 何だか勿体無い早起きであった。
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