天上天下唯我独尊

2011年01月24日(月) またヤラレター

主人と車で買い物に出掛けた。

河川の工事をしていた。
護岸をして、堤防を作り直すのだとか。
この町は昔大水の被害に遭ったとかで、大層川にご執心である。
しかし川上にダムも作られたし、ここまでやるほどの事か?と余所者は思うのだ。
桜並木まで切り倒す事は無かろうに。
それより、作りかけの橋を早く完成させた方がいいのでは……。
この土地の人間の考える事は、よく判らん。
「工事、まだ終わらないね。早く終わらせないと、雪解けで水嵩が増して、大変な事になりそうだな」
と主人が、橋から川を見下ろして言った。
「そうよね。それに、何もこんな寒い時にやらなくても……もっと早く始めれば良かったのに。秋頃からだったでしょ、確か着手したの」
「ああほら、それは稲刈りの終わった農民の手を当てにしてるからさ」
「あ。なるほど〜!」
と私が感心したところで、

「なーんてね」

えっ……。
私、また

騙されたかー!!


くそー、くそー! 悔しいー!!
「どうして! どうして貴方はそうやって、人が油断した頃にひょろっと私を騙すの!! どうして!!」
と車内で絶叫すると、主人が笑い出した。
「どうして! どうしてそんなに騒ぐの、シオン!」
「真似するなー!!」
運転中じゃなかったら、飛び掛っていたよ。
くそー、家庭内なのに心を許せないのか。
こうして私はまた猜疑心の塊になるのだった。


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