天上天下唯我独尊

2010年12月27日(月) 平家にあらずんば人にあらず

「佐藤錦にあらずんば桜桃にあらず、ピオーネにあらずんば葡萄にあらず」
と公言して憚らない私。
因みに和梨は幸水か豊水。
林檎は断然ふじかサンふじである。
王林なんて食えたもんじゃない。

主人の実家から林檎が送られて来た。
農家ではないが、伝手があるようで、毎年美味しい林檎を送ってくれる。
主人の実家の辺りは、段違いに美味しい林檎が採れるのだ。
おらこんな美味いもん食った事ねえ、うめえ、うめえよお父!(byマヤ)と感動したぐらい。
主人と結婚して良かったと思える事の1つだ。

今月の初めにも送ってくれたので、これで今年2回目だ。
わくわくして箱を開ける私。
中の林檎を見て、思わず声が出た。

「えええええええぇぇぇぇぇ……」

居間の主人にも聞こえたようで、
「何で山羊の鳴き声?」
と言われた。
めえええともべえええとも言った覚えは無いのだけれど。
「うん、まあ箱の中を見たら判るよ」
と答えておいた。
箱の中身を検めた主人は、
「大丈夫、王林じゃないよ? 新種の林檎だね。大人気で品薄らしいよ」
と言いながら戻って来た。
そういや確か、去年も貰ったんだっけ、あの林檎。
確かに甘くて不味くは無かったけれど、それでもやはり、サンふじには及ばない。
近所の直売で買ったサンふじの方が、小さいけれど美味しかったなー……などと思い出しつつ、折角主人の親が送ってくれた物にこれ以上けちを付けるのもどうかと思い、黙ってお茶を啜っていると、主人が言った。
「さっきの山羊の真似、凄かったね。山羊は山羊でも凄く残念そうな鳴き声で。餌だと思ったら人工芝だったって感じ」
ぶっ。
「あのさ、貴方」
「ん?」
「人がお茶飲んでいるまさにその時に、おかしい事言うのやめてくんない? 吹き零しちゃったんだけれど。雑巾持って来て!」
ええ〜別におかしい事なんて言ってないのに、普通に喋っているだけなのに……とか何とか言いながらも、主人はちゃんと雑巾を持って来てくれたのだった。


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