賃貸なのに、ワックスをかけたばかりの床に、穴を開けてしまった。 入居して9箇月、既にあちこち傷を付けたり穴を開けたりしているのだけれど、今日のは防ぎようが無かった。
最近うちに来た新しい包丁は、刃の部分が鋼で出来ているので錆び易い。 使ったらすぐに洗って拭いて仕舞うようにしているので、いつものように洗って水を切った。 その時、右手にちくっと痛みが走った。 どうやら刃の部分に触ってしまったらしい。 慌てて持ち替えたら、次は左手にぷすっと。 今度はさっきよりも痛みが強く、血まで出た。 あわあわしていたら、包丁はするりと手から滑り落ちて、地球の引力に導かれるままに下へ。 私はその様子をただ見ているしか出来なかった。
あわわわわわという私の尋常ならぬ声に驚いて、主人がすぐにPC前から飛んで来てくれた。 「手、切った?」 「ううん、刺した……ちょこっとだけれど」 第1の傷は本当にちょこっと、針の先で突いた位のもの、第2の傷はそれより少し深めで、ぷくーと血が盛り上がる。 そして第3の傷は床に。 包丁の切っ先がぷすりと床板に刺さり、本体が振動でぷらぷらと揺れていた。 賃貸の床なので、相手が包丁でなければ、手を出して止めただろう。 しかし今度ばかりは手も足も出ない。下手したら私の指が落ちる。 結果、フローリングの床に三角の穴が開いた。 次のワックスがけで、ここに多目にワックス液をつけておけばいいかな。
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