今年の冬の賞与支給日は、私の誕生日だった。
日付が変わった時、主人が言った。 「お誕生日おめでとう、シオン」 その日、主人は飲み会が入っており、一緒にお祝い出来なくてごめんね、と出掛けて行った。
しかし、私が1人で晩御飯を食べた後ではあったが、彼は予定よりも早く帰って来た。 「どうしたの? こんなに早く」 と訊くと、飲み会の最中に「今日うちの家内の誕生日なんだ」と言ったところ、「何してんの! 早く帰ってあげなさい」と追い出されたのだとか。元は取れたのかよ(笑)。 いや、前から飲み会の話は聞いていたのだし、私は別にいいんだけれど。 そんなに記念日とかに拘泥するタイプじゃないし。 「という訳で帰って来ました。ごめんねシオン。今日は『世界シオンDay』ですよ」 「有難う。でもいいのよ、気にしなくて。だってボーナス入ったし。私の誕生日なんだから、あれは私へのプレゼントだよね♪」 と私が言うと、彼の表情が固まった。 「全額? それは一寸、勘弁して下さい……」
誕生日が残り少なくなったので、延長を宣言した。 「今週ももう終わっちゃうし、一足飛びですがここに宣言します。今月は『世界シオン月間』ですよ!」 大晦日まで続くのか……とげんなりする主人だった。
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