その日、幾つかのグループに分けられて、人類は処刑される事になっていた。 主人と私は1番最後のグループで、すぐ前のグループの知り合いから、餞別として10万円を貰った。 嬉しいけれど、これは遣わずに、くれた人が無事に生還したら返そうと思って、取っておいた。 最後の日なので一緒にいたかったのだが、主人は仕事があるからと言い、私を置いて出勤してしまっている。 人類滅亡まで、あと1時間。 まだかなあと思いつつ、私は主人のオフィスの隣りの教室で、彼の仕事が終わるのを待っている。 ああそうだ、くれた人と同じように、私も誰かに餞別を渡すべきなのかしら。 でも1番最後の組だし、渡す相手もいないからいいよね? お金惜しさに、そんな言い訳を自分の中で作っていた私だった。
目が覚めて、生きていて良かったと思った。 自分で分析してみて、 ・主人は妻より仕事優先なのではないかと、私は不安に思っている ・私はお金大好き という事が、改めて判った。 決して仕事より軽んじられている訳ではないと知っているのに、土日も仕事でどこにも連れて行って貰えない事を、私は心のどこかで不満に思っているようだ。 口にして解決する問題でもないので、私が我慢し続けるしかないのだが。 何故教室なのか、意味は解らなかったが、我慢も程ほどにして、時々はどこかに連れて行って貰おうと思った。
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