天上天下唯我独尊

2007年02月21日(水) 托卵ポスト

今回の「デスパレートな妻たち2」には泣いた。
アメリカでは、今の日本よりも普通に且つ簡単に養子を貰えるものと思っていたが、結構大変らしいと知った。
本決まりになるまでは、実の親の気分次第で仮親は子供を手放さなければならないなんて、あんまりである。

日本では、ドイツに倣えと、どこかの病院が「赤ちゃんポスト」なるものを導入するなどと言い出して、議論を呼んでいる。
因みに、私は反対である。
こんなものを設置したら、出来ちゃったけどどうしよーと言っているうちに堕ろせなくなって産んじゃったけど育てらんないからポストに入れちゃえーでも殺すよりマシだよね☆なんていう馬鹿を助長させる事間違い無しだと思うからである。
しかもこういうのに限って犬のように安産で、ポコポコ子供産むのな。

「赤ちゃんポストなんて、名前が悪い。赤ちゃんを物扱いしている」
などとおかしな所で突っ込みを入れる人もいるが、そんな事は本質ではない。
しかし私も赤ちゃんポストという名前には反対だ。生易し過ぎる。
どうせなら子捨て箱にすれば良い。
子供を望むものの不妊という夫婦は、結構いる筈だ。
そういう夫婦がもっと気楽に養子斡旋所に登録する事が出来るようにし、親になる資格があるかどうかを、しかるべき機関が審査する。
捨てられた子供は、そんな夫婦に養子にやれば良いのだ。
そして、子供を捨てた親は、その子に2度と会えないようにするのだ。
そうでなければ、子供も施設も、養子に迎えようとする夫婦も、コロコロと気が変わるだろう実の親に振り回される事になってしまう。それでは余りにも気の毒だ。
人生、どうにも取り返しのつかない事があるのだ。
子供を捨てるなら、それぐらいの覚悟で捨てろという事である。

こう言うと、「捨てられた子供が長じて、実の親に会いたがったら?」という人がいるだろう。
しかし、自分の出生を知り、実の親の素性を知り、再会を果たす事が本当に幸せだろうか。
それよりも、育ての親でも、慈しんで育てられる事の方が幸せなのではないかと私は思うのだ。

我が家にも子供はいないが、正直養子が欲しいかというと、今のところ微妙である。
主人はどんな子でもいいから欲しいと言うが、私には、そこまでの覚悟は無い。
以前、スーパーで実母に捨てられた子供がいた。
悪いが、余り聡そうではない子供であった。
そして暫くして見付かった実母は、ウヘェという感じの人であった。
「あんな酷い親の所に返すぐらいなら、私が引き取るよ。子供なんて3人も4人も同じ!」
という人がいたが、正直偉いと思った。
私は無理だわ……モズやホオジロのように、カッコウの子供を育てるなんて。
それに、子供のうちは良くても、長じて遺伝病が出る場合もある。
遺伝的な精神病の女性が子供を産み、到底育てられないので遠くに養子に出したが、担当者は母親の病気を一切伏せて、その子を養父母に渡した。
酷い話だが、実話である。
藤沢周平の「蝉しぐれ」のように、子供のいない夫婦には、どちらかの兄弟にあたる、子供の複数いる夫婦から養子を貰うというシステムは、合理的だと思う。
それに、血が繋がっているというのは、やはり安心だろう。


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