阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツキノウアシタ

2004年04月14日(水) 昨日の続き。/また続き。☆の後からどうぞ。

↓は反転してます。
昨日の日記後半に書いたヒューロイ(鋼)の続きです。
軽くやってるので注意なすって下さい。
まぁでも所詮はワタシが書くのでエロくねぇけど。



夢を見ている奴はいるだろうか。
眠れずに過ごしている奴はいるだろうか。
誰かにほんのひとときの救いを、求める奴はいるだろうか。


俺は自分のテントにヒューズを招き入れた。薄暗い灯りが
点ったままのテント。周囲のテントはもう暗い。寝静まった
三角の帆は風に吹かれ、少しだけ少しだけ音を立てていた。
「国家錬金術師様ともなるとテントは一つ与えられるんだな」
「くだらん待遇だ」
「大の男三、四人で詰め込まれるよりはマシだろ?」
「そうだな」
風がかき消すほどの小声で俺たちは話しながら、狭いテント
のシートの上に腰を下ろした。灯りがヒューズの眼鏡のレンズ
に反射して、その光が瞳の奥を突く。俺は顔をしかめた。
「ランプ、消すか」
「……あぁ」
それが合図となった。ヒューズはランプに手をかけると、調節
弁を左に動かす。点っていた火がふぅと消えた。
外と同じように暗くなった帆の中、俺は自らヒューズに腕を
伸ばした。
傍にいてくれと。
その匂い、その身体で、俺を、浄化してくれと。
こんな弱い自分を、お前にさらけ出すのは、これが最初で最後
にしたいから、いっそ意識を手離す程に、俺を。
「許せ」
くちづけたその唇からは煙草の匂い。絡めた舌から伝わる煙草
の味。互い吐き洩れる息が煙草の色に染まる。
「何が『許せ』だ、カッコつけるな、ロイ・マスタング。
弱っているとき、誰か一人くらいなら、そーいうお前を見せら
れる奴がいてもいいだろう?」
「ぬかせ」
茶化す口調。まだ目が暗さになれず、その表情は伺い知れずとも
ヒューズが俺を真っ直ぐに見ていることはわかる。
どんな顔で、どんな声で、どんな感覚で。
頬に伸ばされたお前の手が、俺にお前を伝えてくる。
「ロイ」
お前くらいしか、こんな俺を、見せたくはない。




一瞬でもいいから逃げたくて。
本当に僅かな時間だとしても、こんな行為で奪った命を忘れ
られるのならば、人間はどうしようもなく愚かしい生き物だ。




愛撫なんていらなかった。ただ、お前が俺に触れてくれるだけ
で良かった。お前の温度を感じるだけで、それだけで俺は目の
前で起きたことを、自分が起こしたことを、忘れられるように
思ったから。
闇に目が慣れ、ぼんやりと月明かりが帆を照らしても、視覚を
失ったように俺はそれ以外の感覚でお前の存在を感じていた。
何も見ずに。
触れて、嗅いで、味わって、肌が触れる乾いた音を、舌が絡む
濡れた音を聞いて。
ぞわぞわと感じ始める自分の、声を発することを堪えて、誤魔
化すように歯をカチカチと合わせた。まるで震えているように。
冷たい空気が胸元に滑り込み、冷たい手が腹を撫ぜる。そのまま
たった一枚の布が敷かれた地面の上に俺は倒され、またヒューズ
の温度を感じる。唇は、冷たくなかった。


長く、深いくちづけをすれば、まるでヒューズが吐いた息を吸い
込んでいるような感覚に襲われて、肺が少し濁った気がした。
けれど、それは俺自身が望んだ『浄化』だった。
もっと、もっと、俺を。
そう願う浅ましさが、ヒューズの頭をぐぃと引き寄せる。
唾液が口の端から零れるほどに舌を絡め、互いの口内を蹂躙し
尽くしても、まだ足りない。
俺は鼻に当たったヒューズの眼鏡に手をかけ、それをテントの隅
に放り投げた。
唇が離れ、それは俺の首筋、胸、腹と降りていく。汗と血の匂い
が、ヒューズの舌が伝った道だけ蒸発していく。ただ唾液が空気
に触れて、冷たさを感じるだけというのに。
今日の俺は、本当に弱っているらしい。
強くありたいと願う気持ちは、弱い自分を背中合わせに持って
いるのだと、こんな日に痛感してしまう。
カチャ、
乾いた音、濡れた音しかなかったテントで、金属の音が一つ。
ベルトが外された。
ジ……
下ろされたジッパー、その中に手が潜り込み、俺の性器を弄る。
息を飲み込んで、何も発しないよう自分を制する。喉が震えた。
直接的に与えられる快感に、ゴクリと唾液を嚥下しては、よう
やっと息を俺は吐き出す。
つらい呼吸を繰り返しながら、ヒューズの手の中で質量を増し、
硬くなる自分自身を感じていた。





時間ぎれー。
とりあえずここまでー。





熱さを帯びたそれが温度の低いヒューズの手に擦られて、さら
に温度を上げていく。乾いているのか湿っているのか判別の
つきにくい音を手と性器が奏でた。やたら規則正しく紡がれる
音のせいなのか、次第に身体がその快感に慣れてくるからなの
か、呼吸をすることが簡単になる。
音に合わせて息を吐き、息を吸って、性器から込み上げてくる
快感の流れに己をたゆたわせるだけ―――
違う、そうじゃない。
もっと、それだけじゃないんだ、もっと。
俺は身体を少し起こした。ヒューズが顔を上げる。どうした?
というように。
腕を伸ばし、ヒューズがしたように金属の音を立て、その奥に
指を絡めれば手首を摑まれた。暗がりの中、首が横に振られる。
俺は同じように左右に首を動かした。摑んだ強さよりも強く、
ヒューズの性器をぎゅっと手の中に収める。
拒んでも無駄だとわかったのだろう、ヒューズはその手に収めた
ままの俺の性器をまた扱き始めた。
向かい合わせに座り込んで、互いの性器を扱き合うなんて、
まるで子供のごっこ遊びのような。
乾いた音、湿った音、温度を感じさせる音が定期的に耳に入る。
相反する音が一つになれば、それは性器の先から先走りの液が
零れ出した証拠。指先は濡れて、性器も濡れて、勃ち上がった
互いのそれを擦りつけ合えば、近づいた唇から洩れる吐息の
温度も上がる。
自分の息なんだかわからないように、手の中のヒューズ自身の
脈と、俺の心臓の音も、どっちがどっちかわからなくなる。
身体の中だけで発する音が同じくなればなる程、快楽に自分は
近づいて、そして、自分の軍服に染み付いた返り血のことを
ほんの一瞬忘れるのだ。
精を吐き出す、その瞬間に。


ヒューズが俺自身を扱く指の動きが早まる。まるで俺を早く
達せさせようとばかりに。
きっとヒューズは互いに扱くだけで終わらせるつもりだ。
不衛生なテント。汚れたままの指先。風呂すら入っていない身体、
俺の中に挿入るには相応しくない条件ばかりが揃っている。今
こうして扱いているのだってギリギリの線。
お前が考えていることは大方こんなところだろう。
指を挿れて解すには、本当に不衛生極まりないとわかっている。
セックス自体、本来すべきではないことだって。
だから尚更、背徳に浸ることで全てを忘れ、お前の存在だけを
感じ、弱い自分を―――認めたいんだ。
お前だけは、そんな俺を知ってくれているのだから。
俺は指の動きを止めた。
達してはいないが、すっかり硬く勃ち上がったヒューズの性器
に俺は視線を送って、顔を少し上げた彼へと移す。そのまま彼の
身体をシートへと押し倒した。
何を、と言葉を放ちかけたヒューズの口を覆って、俺は奴には
見えないかもしれないが、彼に笑って見せた。
身体を跨いだ俺がこの先何するか察したヒューズは無理矢理
起き上がろうとしたが、俺は左手を腰に置いてそうはさせまい
とする。ヒューズが起き上がる力を抜いたその瞬間に左手で
その性器を押さえ、右手で広げた双丘の奥の後孔に宛がった。


慣らさずに挿れたことは一度だってない。嫌味なほどに丁寧に
ヒューズはここを扱うから。
痛い。
裂けそうだ。
性器の先端が狭い入り口を押し開いていく。右手の広げる力を
強めて、俺は痛みを堪え、腰を落としていった。
歯を食いしばり、眉を寄せる。額に脂汗が浮かぶのがわかる。
そして眼下のヒューズが泣きそうな顔をしていることも。
深く、ゆっくりと息を吐いて、俺はヒューズ自身を飲み込んで
行く―――それが脈打つ音を中で感じるように。
感じる音を一つにするように。
「バカ野郎……」
ヒューズの低い声が耳に入る。濡れた音はしない。乾いた音も。
ただ中で感じる音だけ。
温かくも冷たいものが、後孔から滲むのを感じる。
「そんなに眠りたいのか、お前さんは」
「……言った…ろう…?それに、わかって……いるだろう…」
全てを埋めて、俺はヒューズの脚の付け根を身体を支えるため
摑んだ。指先が白くなるくらい強く。
「こんなつらさ、忘れるもんか……絶対俺は、忘れない」
「ロイ」
生理的なものなのか、感情的なものなのかわからない。俺の
眼の端から涙が零れた。
「弱い俺を忘れないために、今、眠りたいんだよ。お前が俺を
眠らせてくれ」
快感よりも痛みが全身を取り巻き出す。快感を餌に成長した俺
自身は痛みのせいか頭を垂れ始めていた。
「お前は不器用過ぎるんだ」
ヒューズは苦しげに言って、俺の手の甲を思いっきり抓った。
途端バランスを崩し俺は後方に倒れたが、今度は逆にヒューズ
が俺を眼下に見る。ヒューズは俺の脚に絡まったままの軍服を
乱暴に引き抜いた。
「『痛み』で眠ってしまうことだ」
俺の脚の間に入り込んだ身体。ヒューズは左脚をぐいと高く
持ち上げると、腰を俺に近づけた。身体を倒されたことで中途
半端に抜けたヒューズ自身がまた深く、俺の内部に侵入する。
背中に地面を感じ、ヒューズの身体の重さを感じながら、俺は
また息を飲んだ。眼を瞑った。痛みは当然ある。つらさだって
ある。裂かれた後孔の血がまだ滲んでいるのだってわかる。
震える、ただ、震えるだけの聞こえない声を俺は発して、中
だけではないヒューズの温度を感じるように腕を伸ばす。
音と温度が早く一つになればいい。
そのときに、俺は眠りにつくことができる。




全てを忘れ、
貴方だけを思う一瞬。
その一瞬が終わったとき、
俺は全てを思い出す。
目の前の惨劇。
炎の中消えて逝く命。
焔の赤より、ずっと赤い血。
弱さとつらさと後悔と。
それに立ち向かう強さを、俺は持たなくてはならないから。




血なまぐさい戦いが行われたのは嘘のように、鳥のさえずりで
俺は目を覚ました。大半の部隊がテントを片付け、中央への帰路
につく準備をしているため、周囲はやたら騒がしい。
俺も今日帰路につくのだが。
目覚めれば隣にヒューズの姿はなかった。現実の中に非現実が
あったことは身体の痛みでわかる。
意識を手離たことで俺はようやく眠れた。
一人でいる怖さからも解放された。
その結果、『朝』という現実に、俺はこれからどう進んでゆくか、
選択を迫られているような気がした。



中央へ戻る道。
雨雲がその先に待っていた。
風は向かい風。風の向かう方角はイシュバール。
雨は俺たちの血を洗い流し、赤く染まった地を浄化する。
その血は見えなくなろうとも、俺は忘れまい。
最初で最後。
俺は強さを手に入れる。



ヒューズ、お前は俺についてこい。




終わりー……つか、意味わかります?
妙に言ってること矛盾してるよ、マスタングさん!って感じ
なんだけど、その意味合いわかりますかねぇ?
自分で書いててイロイロと不安があるんですが、まぁワタシ
は下手にやるより、こう、声を抑えた感じが好きなのよって
ことが言いたかっただけなのね(笑)
初鋼、つーか、たぶんこれこそ最初で最後じゃねーの?
もう1コ、ネタはあるにはあるんですが、それは某方が
何がしかのオンリとかに参加するとき用にとっておこうと
思います。
ありがちな名前ネタで、表紙までどうするか己の中ではもう
決まっているという。
とりあえずは、こんなんでいかがでしょーか、S氏。
YOUの条件を少しは満たしたSSになっております?
連載くらい長いのはそりゃムリだけどさ。



で、今日は初ゴルフでした。
まずはスタンスからーな感じで、普段使いようもない筋肉を
使ったもんですから、身体中がビックリよ。
これから先生に言われた練習を10分ばかりやって、風呂
入って寝ようと思います。
原稿は明日からだなー。
疲れた(涙)


き あ ぬ