よるの迷走日記
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| 2005年05月01日(日) |
その者白き強化スーツをまとい。 |
原作を読んで、映画の評価が2階級特進した『ローレライ』。 文庫本4冊分の原作の山場を余すことなく使いながら エピソードと登場人物を圧縮した力技は原作完成を待たず、 元々のプロットを基に映画脚本を作った、という種と仕掛けが あったということです。なるほど。 この先見ることはないだろうし見る気もないけど、 それと同じようなことが『CASSHERN』に起こるかと いうと、甚だ疑問。もし原作アニメを目にする機会があったとして 「よくもこんな面白いアニメを台無しにした。」 と怒るか、 「よくもこんなつまんないアニメを実写化しようと思ったな。」 と呆れるか。そんなところじゃないでしょうか。
映像はものすごい、のかも。 あのロボットだの戦闘兵器だのCGクリエイターが目を しょぼしょぼさせながらデティール細かく描いてる構図が 容易に想像できます。デザイン重視っぽくてどうも エネルギー効率だの空気力学だのを無視してるような気が しないでもないが高校で物理を勉強してない文系女には 口をはさむ権利はありませんね、はい。 樋口可南子は美しい。ヒロインの女の子も。襟ぐりの 深い服(胸元を強調するというよりは、鎖骨とか肌の白さを 強調)やノースリーブでか弱さ、守るべきものという印象。 はっきり行って足手まといのわりに最初から最後まで 主人公のそばにいた女の子が、どうして剥き出しの腕に 傷一つ作らずにいられたのか疑問っちゃー疑問。 雪の中の流浪に意識を失った状態で連れ去られたお母さんが 凍死しなかったのもすごい。元々病気のはずなのに。 温室で、花びらが舞う情景なんかはとても綺麗。 そこだけが楽園のように。
しかしこれだけの豪華俳優陣を使ってどうしてこうも ぐだぐだのストーリーなのか。 誰も脚本についてつっこんで監督に質問しなかったのか? 皆大真面目にごっこ遊びをさせられてるみたいだよ。よく 吹き出さなかったな。 どこからキャシャーンなんてふざけた語感の単語が出てくるかと 身構えれば、伝承の救世主の名前とか言っちゃってるし。 これが2004年の文春きいちご賞2位に選ばれたということは、 1位の『デビルマン』なんてどこまでひどい出来なんだろう。 この作品の最大の問題点は、まず無駄に長いということ。 戦闘シーンの絵コンテには『ローレライ』の樋口監督が 参加しているそうですが、残念ながら私は何回か早送りさせて いただきました。そして、超人的な動きをする主人公の新造人間が、 決して超人的な活躍は最後までしないということ。 何のために生まれ変わったんだか。
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