よるの迷走日記
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2004年09月28日(火) 人のものとは思えない、声

『永遠のマリア・カラス』を観る。
主演女優は『八人の女たち』で奔放な妹役だった人ですな。
私はマリア・カラスと言う人をよくは知らないのですが、
全盛期のレコードをかけて夜な夜な嘆く場面とか、
「いろんな国に住んだけれど、どの言語も正確には話せない。
私は何者なの?」
という呟きに孤独がにじみ出ていて切なかったです。

音楽のことなんか何もわかりませんが、劇中で流れていた、
たぶんカラス本人のものと思われる美声は確かに凄かった。
美しいだけじゃなくて、豊かなんです。

彼女の復活に尽力する敏腕プロデューサーの奮闘には、
きっと今はもう亡きマリア・カラスを悼み、数々の伝説が
美化されたものではなく、目の当たりにした人々に本当に
大きな衝撃や感動を与えたために生まれたのだ、と伝えたい
監督の気持ちが投影されているんじゃないかと思いました。

蛇足ですがさっきまで報道陣に囲まれていたプロデューサー氏が
知り合ったばかりの補聴器つけた青年画家を車で送るわ荷物も
運んであげるわ、いきなり随分フレンドリーで親切だと思ったら
ナンパだったのには正直驚きました。


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