よるの迷走日記
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萬斎氏の『ハムレット』をビデオで観ました。 出演者が全員男性で英国人演出家がついたことで話題のこの作品。 ん〜良かった。出演者が皆いい。日本語にこだわる万斎さんらしく 声に魅了されました。妖艶なガートルードと完璧高音のオフィーリア、 王・役者・墓堀の三役こなした津嘉山さんの渋い声も クローディアス(オイディブスでも万斎さんと共演)の 低いけどよく響く声も良かった。その完成度の高さは 早口で膨大な台詞を話さなきゃならない萬斎さんのほうが 聞き取りにくいと感じるほど……。 あと、オイディプスの時も思ったが萬斎さんって、 年上の女性とからむ演技(実際は篠井さんですが)だと 妙に色っぽい気がぁ〜。女系家族のせいでしょうかね。
しかし今回一番びっくりしたのがこの事実でしょうか。 悩める若者ハムレット、30歳。……マジ? これってシェイクスピア劇か英文学か北欧史やってる人には 周知の事実なんでしょうか。えぇーー。 30代の萬斎さんだからかと思いましたが、原作を読み返したら 舞台と同じく、墓堀の道化が 「(墓堀りを始めたのは)ハムレットが生まれた日から」 「もう三十年ここで墓を掘っている」と言うんですよ。 続いてハムレットも二十三年前の骸骨を見て 「こいつに生前おんぶしてもらった。」 とかはっきり言うし。本当なのか。
えーえーえー。だって今度蜷川さんが藤原君や鈴木杏ちゃんで やるんでしょー?ハムレットって 1.たぶん立太子されてない(=父も息子もまだ若い) 2.大学に留学中(=若い) 3.叔父が「自分の跡取りはお前」と宣言(=母が異母弟 を生む可能性あり。若い。) 4.作品中「若い」「若い」と連呼されている。 から10代後半からせいぜいはたちそこそこだと思ってたよ!
まあ確かに、三十歳の息子がいる人が再婚なんかしたら、 昔だったらはしたない、みっともないことなんかなー。 ハムレットが激怒するのもわからないではない。 相続に関しても、親子間より兄弟間での相続を優先させる 考え方も大昔だとあったと聞いたような気もする…… デンマークでそうだったかはわからないけど……。 でも今より寿命の短い筈の時代に、三十にもなって第一王子が 結婚も王位継承もしてないってことありうるんだろうか。 それに三十男が少女オフィーリアに宝石なんか贈ったら、 ずばり援助交際でしょう!
何かまだ、十三歳の誤植の方がすっきりする〜。 中学一年生の単語テストか。
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