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| 2004年06月14日(月) ■ |
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| 13+頭蓋の蟲 |
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頭皮の中。 頭蓋骨の中。 底の底の底。 それは住んでいる。 俺の生命とは無関係に。
時折蠢くそれに瞳の裏側が疼く。
瞼でわずかな光を遮ると それはじっと大人しい。 お前が視界の中で見え隠れすると それはとてももどかしく 水晶体を遠慮がちに叩く。
ぎゅっと目を閉じると それは頭蓋の中に戻ってじっとしている。
離れてしまった今。 蟲はぴくりとも動かずに まるで死んだようにしている。 無人の街で誘蛾灯を見上げてみても 蟲はまるで動かないでいる。
なのに今 薄明かりの中で 以前にも増してそれは 落ち着きなく蠢いているのだ。
至高の光がお前と俺を包んで お前は流れ出る血で赤くきらきらと眩しくて。 それは頭蓋を這い出て瞳から零れ落ちた。
それ以来蟲は現れない。
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