みかんのつぶつぶ
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2002年07月24日(水) 母と息子

最後に、

あれが最後だったかも知れない笑顔は、

眠っていたときの笑顔だった



目を開けた彼に、




「笑っていたけれど、

なんの夢をみてたの?」と問いかけると、












「歩いてたんだ、一生懸命」











小さな声で、

得意顔になって、

意識が混濁するなかで、

このときだけは、ハッキリと、確かな彼の言葉になって





ベッドに横たわる足元で、

母が彼に呼びかけていた





「どうしたんだ、こんなになって

起きて歩かなくちゃだめじゃないか

一生懸命に歩かなくちゃ」





眠っている彼の耳に、母の言葉が届き、

その言葉のおかげで、歩けたんだね





ホントは、大好きだったんだよね、お母さんのこと。





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