みかんのつぶつぶ
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Imagine there's no heaven It's easy if you try No hell below us Above us only sky Imagine all the people Living for today...
心地いいね。
夏。
ただ空があって、 入道雲がモクモクする空にわくわくして、 朝顔をギュウギュウしぼって水遊びしてた。
色のついた水が、とってもとっても大事で。
背丈ほどもある草むらを歩くのが好きで。 草を掻き分け歩いたら、何か目の前に現われる気がして。
でも、 いつも空を飛ぶ夢を見ていた。 そして、 空から落っこちて、 ズドンっとベッドに落ちた衝撃で目が覚める。
無意識に、 どうにもならない将来への不安を感じていたのかも知れない。
春。
だから、 道瑞にいつまでもしゃがみこんで、 太陽の光に抱かれながら雑草を見つめていた。
冬。
坂ノ下のひなびた砂浜。
海亀の死骸が打ち上げられていた。
それを見つめる父。
わたし。
景色は全て灰色。
海も砂浜も空も空気も父も。
寂しい目をした父に不安で怯えた。
私は、まだ6歳になったばかりだった。
父の人生は、幸せだったのだろうか? 父に、安息の日々は、果たしてあったのだろうか?
目を開けて死んでいった父が幸せだったとは、いまでも思えない。
動きの止まった父の喉仏。
彼の喉仏。
私は、 誰にも看取られたくない。 子ども達に知られず、 何処か遠い街の病室で、 知る人のいない病室で、 平和にひっそりと息をひきとりたい。 窓の外には青い空が広がっていて、 その空に流れる同じ雲が、 知らないうちに子ども達の頭の上を流れて過ぎて行くように。
そんな感じ。
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