彼の姉達は、泣いていた。弟が不憫で泣いていた。彼が生まれた時から彼を知っている人たち。どんなにか苦しいことだろう。彼は悟っている。自分の身体の変化を・・・最後に最後に残っている右手までもが自分の意識から離れていってしまうことを。鬱々としている様子・・・話しができないのではなく、話したくないだけで・・・あの、汗を流して必死に動いていた過ぎ去りし夏の日々は・・・ただただ悲しいだけ。泣いてても、いいよね。