みかんのつぶつぶ
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2001年10月18日(木)

雨が降っている。
ベッドの上で眠る彼は、この雨の中歩くことはない。
傘をさし出勤する姿を思い出す。

駐車場に置いてある車を見る。
ベッドの上で眠る彼が、運転席に乗ることはない。
あの日が最後になってしまった。

冷凍庫には、彼が元気になったら処分しようと思っていたカブのお味噌汁が凍っている。
彼が作ったお味噌汁。
3月のあの日の朝、作ってくれた美味しいお味噌汁。
これが最後かも知れないと思い、捨てられなくて・・・


お別れの準備をしようね。
これから、生きていることを大事にしようね。
一緒にいる時間を大切にしようね。
限りある時を、自由に生きようね。
もう、そう考えてもいいでしょ?


彼のお友達から電話があった。
ご夫婦とは高校時代の同級生。
ホスピスへ移ることを伝える。
奥さんが泣いていた。
私に泣いてごめん、と言って泣いていた。
もう煙草を吸いに行っていないと言ったら
もっと泣いていた。
かわいそうに…って泣いてくれた。

ありがとう。

 








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