みかんのつぶつぶ
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死は誰にでも訪れる自然なことなのだが、 自然だからこそ恐怖がつきまとう。
ましてやガンで闘病という事態になれば尚更のこと。
目の前の今日一日をどうするか… それが精一杯で生きているんだよね…
抗がん剤の点滴をひいて歩く人々。 足が弱ってきてしまい、今日は車椅子で出歩かなければならない若者。 リンパ腺の手術を控えて、片方だけ髪の毛を剃らなければならないと嘆く人。 この間嬉しそうに退院していったのに、またパジャマを着て病棟を歩く人。 最近パッタリと出会わなくなった人。
様々な様子を日々感じながら 心を痛めたり微笑んだり。 ここにいる限り、苦しんでいるのは自分だけではないという救いと、 やり切れない空虚な気分が交叉する。 健康な人間の違和感なのかな。 この先に訪れるであろう予測的なものへの恐怖なのかな。
人生は綱渡りだね。
疾患は治療を、病気には癒しを。 生きるという権限は、あくまでも患者自身だけの権利である。
だからこそ苦悩するのだろう。 生きるという当たり前なことを、 真剣に考えなければならないから。
死を目前にした生きる道を。
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