みかんのつぶつぶ
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2001年09月04日(火)

When you stop looking for something, you see it right in front of you


MRI撮影だった。
私が病室へつくと、ちょうど撮影から戻ってきたところだった。

今までのように、マスクをしながらタバコを吸いに連れて行くのは絶対ダメだから、
夕方4時過ぎに行き、夕食を介助して食後の薬を飲ませて、
歯磨きをさせて眠りにつかせる…という
パターンでしばらくいくことにした。
婦長さんの「それでいいんですよ…」というお言葉で決断したのだ。

もう動きたいという要求をしなくなってきたのだけれど、
だけど何かの拍子に、何かがココロのなかに不安な影を落とすときがあるらしく、
時計と携帯と、そして帽子を枕元に持ってこさせては、帰る準備をするようだ。

「イモウト…おれのイモウト…げんきかなあ」

?彼には姉と弟しかいないのに・・・

「ん?あなたの妹?弟じゃあなくって?…」

「なにいってるんだ、いるじゃあないか、いもうと・・・」

「・・・!ああ、私の妹ね(笑)」

「ちがうよ、おれのいもうとだよ・・・」

「うふふ、まあ、私の妹だからあなたの妹にもなるわけだけどね…」

「ゆみ」

「あー、ゆみちゃんね、元気だよ。仕事が忙しいって言ってる」

「いろいろやってもらったから…ぐあいがわるいんだったら行ってあげなくちゃ・・・」

「・・・具合は良くなったって…じゃあ電話してみよっか」

「うん、あした、でんわする・・・」

こんな会話が突然飛び出してくるのは、日常茶飯事なことだ。
脳外科患者特有の神秘なひらめき…っていうのかなあ・・・

純粋なんだよねー・・・

この会話の前には母のことを思い出していた。

「あいたいなあーおかあさん」

って感じでね・・・

小さな聞き取りにくい声で話すから、
思わず身を乗り出して顔を近づけて真剣に聞いていると
フッと思い出したように、ニヤニヤしながら
私の顔をゲンコツで押し返すのだ。

照れ屋だからね。



それにしても、私の妹は二人いるんだけどね(笑)

 

 


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