みかんのつぶつぶ
DiaryINDEXpastwill


2001年07月04日(水)

記憶が・・・記憶が消えていっている。
どうして自分はここに泊まっているのか説明しろと云う。
治療のために入院している、現在の状況は治療の後遺症のために
このような状態になっていると話して聞かせる。


現在白血球700。
部屋全体に空気清浄器がかかっている・・・これは彼への配慮の結果なのだ。
カーテンを閉め切りにされるのを嫌がった彼を思いやり、
それならば病室全部の空気を綺麗にしちゃおう…という結果になったという。
他の3人の患者さん達まで巻きこんで・・・

個室へ、という話しも出たが、それでは精神状態に悪影響であろうから、と。

ほんとに、ありがたい。
仕事とはいえ、みなさんの献身的な看護に
どんなに毎日救われているか・・・



コンチンがモルヒネだということ、彼は理解していなかった。
何日か前に、私に言っていた。

「コンチンってモルヒネなんだってなぁ・・・」

何気なく聞いていた。いや、聞き流していた。
でも・・・
彼にはショックだったようだ・・・
ベッドの横に置いてある紙袋に『モルヒネ』という走り書きをみつけた・・

悲しかった。
後悔した。
どうして、どうして側にいるのに、
その時の彼の叫びや嘆きを感じてあげなかったのだろうと。
自分がモルヒネを飲んでいると知ったら、
ガン患者がモルヒネを飲んでいる状態が末期的なこと、
どうしてもっと気遣って対処してあげられなかったのだろう・・・

コンチンは痛み止め、
モルヒネのなかでも穏やかな作用で
安全に使用できる・・・
知識として飲みこむ私は第三者的な受けとめ方しかできなかった。

もし、
私がガンに侵され、
痛み止めとしてモルヒネを処方すると言われたら・・・
ショックだ。

あれからかもしれない、彼の様子がおかしくなったのは。

精神的なものなのか。

とにかく記憶が消えて、
現在と幻覚との狭間で生きている。

コワレタ。
コワレチャッタ・・・







みかん |MAIL

My追加