みかんのつぶつぶ
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2001年06月29日(金)

なにかいいことあるんじゃないかと
上を向いて歩いていても
やっぱりみつかるはずがなく

下を向いて歩いてゆくのさ
落っこちているもの蹴飛ばしながら





「もういいだろ、終わりにしても」

焦点のあわない目で私をみつめて
ろれつのまわらない口調で呟いた。

薬の影響だろう、幻覚もでているらしく
昨夜は多勢の若者がベッドに押しかけてきて
泊めてあげようにもベッドが足りなかったのだと楽しそうに話す。

「おまえが、お待ちしてましたーって言って
 コーヒー出してた」


いろんな場面が交錯して、そんなこと…そんな夢を見させたのかもしれない。
海馬の仕業だ。きっと。


夕食が終わり、洗面も済ませてベッドに戻ると
ウトウトとしてしまう。
そっと病室を後にしようかとも思ったが、
目が覚めて、私がいないと騒ぐかも知れないから
帰るよ…と声をかけた。
すると、一緒に帰る準備をはじめようと・・・


こんなに、
こんなにも壊れてゆくのだ
どんなに耐えてきたことだろうか、ここまで・・・
これで、
これで死んでゆくしかないならば
こんなに苦痛を与えていいのだろうか
これ以上、何に耐えれば救われるというのだろう





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