みかんのつぶつぶ
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なにかいいことあるんじゃないかと 上を向いて歩いていても やっぱりみつかるはずがなく
下を向いて歩いてゆくのさ 落っこちているもの蹴飛ばしながら
「もういいだろ、終わりにしても」
焦点のあわない目で私をみつめて ろれつのまわらない口調で呟いた。
薬の影響だろう、幻覚もでているらしく 昨夜は多勢の若者がベッドに押しかけてきて 泊めてあげようにもベッドが足りなかったのだと楽しそうに話す。
「おまえが、お待ちしてましたーって言って コーヒー出してた」
いろんな場面が交錯して、そんなこと…そんな夢を見させたのかもしれない。 海馬の仕業だ。きっと。
夕食が終わり、洗面も済ませてベッドに戻ると ウトウトとしてしまう。 そっと病室を後にしようかとも思ったが、 目が覚めて、私がいないと騒ぐかも知れないから 帰るよ…と声をかけた。 すると、一緒に帰る準備をはじめようと・・・
こんなに、 こんなにも壊れてゆくのだ どんなに耐えてきたことだろうか、ここまで・・・ これで、 これで死んでゆくしかないならば こんなに苦痛を与えていいのだろうか これ以上、何に耐えれば救われるというのだろう
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