みかんのつぶつぶ
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2001年06月07日(木)

るうちゃんがポツンとベンチに腰掛けていた。
「おはよ〜」と近寄ってゆくと顔色の冴えない様子にドキリとした。

「どう?調子は」

「うーん…また再発しちゃった…」

「…そっかぁ…だから痛かったんだね」

「胃がんで終わるかと思ったら、今度は直腸だって。
すぐにでも手術をしなくちゃダメなんだって」

るうちゃんは、いつも気だるい話し方をする。
だから病気の話しも、深刻な雰囲気にならないのが救われるのだが
このときばかりは、その言葉の奥に秘める苦悩が
しんしんと伝わってきた。


小説は、小さな現実を骨組みにして
まわりに肉をつけて切実な事実のように話しを作り上げる。
でもね、ほんとはね、ほんとに小さいことが
とっても大変で
文字にすれば些細なことに苦心してて
言葉に表せない空気がいっつも患者のまわりに取巻いていて・・・

それでも自暴自棄にならず
コツコツと生きてゆくんだよ



ホントノトコロナンテ
ダレニモワカラナイ
カタリアウノハオロカナコト
クウキニナッテ
ソバニイルダケ
タダ
ソレダケ


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