りとるのひとりごと。
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2004年02月06日(金) 母の絶叫・・そして別れ

先月から、母の母・・つまり祖母がもう危ない・・と聞いていた。

90になろうかという祖母とは、もう10年ほど会っていなかった。

母と、叔母(本家の嫁・・祖母と同居している)の折り合いが
悪くなってしまったからだ。

なので、母も実家にはもう何年も寄り付いておらず、当然ながら
祖母とも会っていなかった。

風の便りに、祖母が痴呆になった・・とか、デイサービスに
通っている・・などの話は聞いていた。

が、今年に入って何度も「危ない」との連絡が入った。
母の元旦那・・つまり私の実の父親からだ。

母は、叔母との確執にこだわり、頑として祖母に会いに行こうとは
しなかった。「おばあちゃんも分かってくれてるはず」と。

しかし私は祖母に会いに行くよう母に勧めた。

あとで後悔しても遅い。亡くなる前に。今のうちに。


そして今日、車で1時間半ほど走り、祖母のいる病院へ行った。

付き添っていた叔母とも10年ぶりくらいだった。

狭い病室には3人の老人が入っていた。

使い捨てのマスクと手袋をつける。

室内に入ろうとしたら、先に入った母の絶叫が聞こえた。

「おかあちゃん!おかあちゃん!おかあちゃーーーん!!!!!!!」

小さな病院中に響き渡るかと思うほどの叫び声だった。

母は、祖母の耳元で叫びつづけた。

私は後ろで突っ立っていることしかできなかった。

祖母はもう意識がなく、体温も測れないほど下がっていた。
心臓に水が溜まり、尿も出せなくなっていた。

だが、目は開いており瞬きもする。本能らしいのだが、見ていると
意識があるように思えてしまった。

母はどす黒く変色してしまった祖母の手を、顔をさすり、
何度も祖母に大声で呼びかけた。

しばらくして、母が祖母の異変に気づいた。

祖母は、涙を流していたのだ。

片方の目から、つーっと一筋の涙。

母は「分かった?分かったよね!!会いたかったよー!!!」
そう叫んでおいおい泣いた。

叔母も泣いていた。

私は泣くのをこらえた。泣かないように頑張った。



母は5人きょうだいの唯一の女で、つまり祖母にとっては
たった一人の娘だった。

その娘に会えるのを、ずーっと待っていたのだ。

帰宅して、夜、電話が鳴った。

祖母は亡くなった。

私と母が行ってから5時間たっていなかった。

祖母は待っていたのだ。

そして、旅立っていった。


おばあちゃん、頑張ったね。

遅くなってごめんね。

明後日、また会いに行くからね。

これからも、母を守ってください。

さようなら、おばあちゃん。



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