闇の底に...Cuckoo

 

 

逢いたいと告げた瞬間 - 2002年04月11日(木)

逢いたいの
今すぐ逢いたいの
アナタがアタシの為に
アタシに逢いに来てくれるのなら


アタシと想い人の彼との間に
いくつかのこれからの約束がある。
水族館に行く事
その時は一泊の旅行で。
四葉のクローバーをくれること
携帯のアンテナと交換で。
この全てがアタシが言い出したことなんだけどね。

水族館旅行
よくいいって言ってくれたなとは思うけど
でもね正直
いけるとは思ってない
彼は5月にって言ってた
5月は休みが多いからって

5月か
まだまだ先だね
だめだった時のショックが大きそうだ
そう思ってた
だから
ねぇ 期待するなよ
そう毎日告げてる
自分の心に
だからなんだろう
全然いける気がしてないし
リアル感は無い
いつものその時だけの約束
そんな感じ。

昨日彼と話してた
元彼女の話になった
新しい携帯を教えたらしい
一応な
そう言ってた
連絡は密に取ってた
彼は元彼女をかなり心配してる
病気だから。
腫瘍が見つかったらしい
癌では無かったらしい
もし癌だったら結婚する?
聞いてみた
元彼女は今でも彼との結婚を望んでいるんだろうから
『わからん』
そう彼は答えた
別れてる今の状態で
もし彼女が癌だったら
結婚してるかもしれないのだろう
優しさなのか
未練なのか
アタシには分らない

今でも彼の心の大きな部分を占める彼女が
羨ましく思えてしまった
アタシは醜い人間だ。
永遠に彼は彼女を心配して
遠からず近からず
そんな距離を保つつもりなのだろう
彼は卑怯なのだろうか
優しいのだろうか
元彼女が彼を忘れる事は無いだろうし
それはアタシにも言える事だった
一定の距離を保ったまま
近かづけないのだけど
遠ざけないのだから。
それは優しさなのだろうか
だとしたらなんて残酷な優しさなんだろう

言葉がうまく出てこなくなった
何を話せばいいのか
どう話せばいいのか
淋しくて
哀しくて
自分が馬鹿だと実感してた

ねぇ 
水族館も旅行もリングも諦めるから
今から逢おう

真夜中の1時半
彼とアタシとの間には
時速100キロで2時間の距離

『諦めるのかよ』

今逢いたいんだ
今すぐ

『無理ゆうなよ 
 仕事あるんだし』

2時間の距離
往復4時間の距離
用意をして2時
うまく逢えても往復だけの時間しかない
そんな距離

『途中迷ったとしても着くのが5時になるし』

ねぇ
今時計見て計算した?

『した』

じゃいいや

『何がしたいんだよお前は』

たいした事じゃないけど嬉しかった理由がわかる?
ココに来るまでの時間を計算してくれた
頭から来る気が無いのならしないのじゃないだろうか
そう思えた
無理なのはわかってた
けど逢いたかった
他の誰かが住む彼の心に
ほんの少し入れた気がした
あまりに少しなんだけど。


逢いたかった

泣きたかった

嫉妬した

無理だと知ってた

それでも


言わずにはいられないほどに





逢いたかった



抱きしめたかった


抱きしめて欲しかった










愛してた。




                 水鳥。


...




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