幸せに飽きたら、ダンスを習おう。


 Past : Will 2005年05月18日(水) 


『最終兵器彼女』、実写映画化ですか。
ひょえー。あ、ソースは下に。
一瞬、某色白ぽっちゃり監督が頭を過りつつ、
真っ先に監督名を確認してみました。…ほほう。

ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050516-00000018-spn-ent


これ(映画話)に関連して。
先日(4月最終金曜日)、観てきました。

『Shall we dance?』(以下ややネタバレ)

一家を挙げて日本版が大好きで、このリメイクも皆で楽しみにしていました。なんてったって、J.Loとリチャードギアですもの。ゴージャス!
周防監督版に無いものがハリウッド版にあり、またその逆も然り。
周防監督の作品は「シコふんじゃった」と「ファンシイダンス」と「Shall we ダンス?」を観ていますが、作品に共通しているのは、日本独特の、日本人こそが理解できる悲哀感と、スエードを逆撫でする時のような、柔らかな引っ掛かりではないかなと思っています。

中堅企業で鳴かず飛ばずの中年サラリーマン、高級とは言えない居酒屋、場末のダンス教室、古臭いダンスホール、通勤に2時間要する郊外のマイホーム…こういうシチュエーションが齎すそこはかとなく惨めな雰囲気と、悲哀感は、本当に日本独特なもので、自分が、日本版の『Shall we ダンス?』を好きな理由も、多分その辺りにあるのです。
それと、もう一つ、日本版タイトルが『Shall we dance?』ではなく、
『Shall we ダンス?』であるのか、というこだわりも。
観る度に、これが出てくるシーンと、クイックステップの成功シーンで泣いてしまいます。

では、ハリウッド版ではどこで泣いたのかというと、勿論あそこです。
タキシードを纏い、手には赤い薔薇が一本。
これは、リチャードギアにしか出来ないなぁと。ハァー。
ハリウッド版は、趣味と奥さんと旦那個人の愉しみ、この3つの関係性のバランスの取り方が、大変興味深いなと思いました。ハリウッド版の結末は理想主義的ですが、とても素敵で、とても好みです。それを踏まえたエンディングも、ハリウッドらしいセンスに満ち溢れていて、きらきら輝いていました。

あとは、あえて言及するならば、ハリウッド版はぶっちゃけお洒落。ゴージャス。時代観の差もあるのかな、と思いつつ。
リチャードギアとジェニロペの情熱的なラテンは、ハリウッド版のボーナスシーンかな、と思うくらい、お腹一杯です。

草刈民代の凛とした清廉な感じも好きですが、J.Loのゴージャスさも憧れです。
あとは衣装。社交ダンスの教師ということで、普段の彼女より幾分落ち着いた、お嬢さんスタイル。それでも、綺麗なデコルテが目立っていて釘付けでした。スカートも、ダンスに合わせてフレアーだったりサーキュラーだったり。ジェニロペは、腰が張っていて、脹脛に結構筋肉の付いた体型だから、スリットの入ったアシンメトリーのスカートが大変似合ってました。
あと、ピンクのスエードコートや、スモーキーピンクのニット帽など、ファッションの参考にしたいものばかり。

それから、この映画は脇も素晴らしいのです。
竹中直人のハリウッド版(笑)Stanley Tucciも、
渡辺えり子のハリウッド版、Lisa Ann Walterも、
それからたまこせんせー(草村礼子)も、
探偵も助手(…はちょっと違うか)も、
もう本当にそのまんま。

周防版の悲哀感が好きだった方には物足りないかな。
とにもかくにも、この作品の肝の一つだと思うので、ハリウッド版がそこを描かなかったのは少し残念です。
でも、別のものを補ってくれたところはあるような気がします。
それは、社交ダンスだけに限定されない、ダンスというスポーツが齎す愉しみ。

お国柄も時代柄もあるのでしょうが…
自分にとっては日本版もハリウッド版も、
両方とも大好きな、大切な映画です。


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