世界で一番短い手紙(鷲篇)


 Past : Will 2004年04月04日(日) 


走から手紙を貰った。
俺ったら、読まずに食べた…りはしない。流石に。
開いてみたら、紙のどまんなかに「?」って書いてあった。

「?」ってなんだ?

訳がわからんまま、とりあえず、「??」と書いて返事を出した。
「?ってなんだよ?」って意味で。

で、出した後で、はたと気がついた。
これって、もしかしてこの前のテレビでユウメイなガクシャが言ってたアレか?
円滑なコミュニケーションの訓練として、短い言葉で意思疎通をはかれ。とか言うやつ。
何だよ、さっそく実践しやがったのかよ。
走ってば、こういう新しげで賢げなことに、すぐ手を出したがるんだよなぁ…。

だいたい、言葉が足りなくて喧嘩ばっかしてるような俺達が、更に言葉を足りなくしてどうすんだよ。
そんなんカケラだって伝わるわけねぇぞ?

と、思っていたところに、新しい手紙が届いた。

「???」

これは、
「?ってなんだよ?ってなに?」
とか、解釈していいんだろうか?
なんだか、哲学じみてきたぞ…。
って、ヤツがそんな深いことを考えてるわけないか。
まあ、よくわかんねぇから、とりあえず定番の返事でも返しておくか。

「!」

バカの走でも、さすがにこれの意味するところはわかるだろう?

「なに言ってるかさっぱりわかんねぇんだよ!」

いっつも言ってることだしな。
耳にタコがぶらさがっちまうぐらい聞きなれてるはずだから。
これで「なんでわかんないの?」って、本人が怒鳴り込んでくるだろうと思っていたが、なぜだか、また手紙が戻ってきた。

「!!」

あ〜も〜、だから、こんなんじゃ意味がわかんねぇよ。
ビックリマーク二つってどういうことだよ。
やってらんねぇ。
「きゃッ! はずかし〜!」とか書いてあんのか?
それとも「いやん! ばかん!」とか書いてあんのか?
「岳ってば! 男前〜!」とか書いてあるんならともかく…。

しかしまあ、返事を書かないのも可哀相な気がしたので、俺は事をふりだしに戻してみることにした。

「?」

走が最初に寄越したのと同じ言葉。
(…いや、だいたい言葉じゃねぇだろ、こんなマーク)
ヤツがどういう意図で書いたんだかしらないけど、俺の言いたいのは、この一言だ。

「で?」

いったい何がしたいのか、さっぱりわかんねぇんだよ。
くっそ、何か苛々するな。
顔を見たら、一発食らわしてやりたくなりそうで、俺は横っちょを向いたまま、手紙を差し出した。
すると、中を読むなり、

「マジに決まってんじゃん!」
「ぎゃー!」

いきなり抱き着いてきやがる!
な、なんだ、コイツ〜ッ!?
マジに決まってるって、なんの話だよ?

「てめ、走、何がやりてぇんだかちっともわかんねぇよ!」
「なんだよ、照れちゃってんの? 可愛いなぁ。今更じゃ〜ん」
「何が!?」

起きたまま寝言を口走る走の腕を逃れて、俺は、わが身可愛さに敵に背を向けダッシュで逃げるという、不本意だが最短の逃げ道を選んだのだった。


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…と、いうわけだったのです(笑)ごめんなさい>拍手レス
4月4日って獅子の日なのにね。




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