ヒナポップライス(獅子鷲)


 Past : Will 2004年03月04日(木) 


「ちょっと菓子売場のぞいてっていいか?」
「チョコ?チョコなら買い置きのヤツが…」
「チョコはいい」
「なに買うの?」
「ひなあられ」
「…え?」

ひなあられって、ひなまつりに食べる小さなツブツブのお菓子だよな。
…ひなまつりって3月3日だろ? 過ぎてるじゃん? いまさら? なんで? っていうか、ひなあられ? なんで?
頭の回りに?????と?マークをたくさん飛ばしながら後ろをついていった。足取り軽い岳が目指すのは、菓子売場のはじのワゴンのところ。
そこに『SALE』と赤い看板が立ち、その下にひなあられが山積みになっていたので、ようやく事情がわかった。
つまりあれだ。
クリスマスが過ぎればケーキが特売。バレンタインの次の日はチョコレートが特売。
そういう原理の元に、ひなまつりが過ぎたら、ひなあられが特売。

しかし、ワゴンの前に仁王立ちになり、もみ手までして喜ぶ岳の姿を、なんとなく引いた目で眺めていたら、いきなり、真面目くさった顔で自己弁護。

「俺はもう、これに目が無くて」
「…あ、そう」
「1年でこの時期しか買えねぇんだよ」
「…まぁそうだね」
「走、食ったことねぇのか?」
「…それくらいあるけど」
「美味いだろ?」
「…よくはしらない」
「知らないのか!?」

…なんでそんなに大げさに驚けるのかが、まず疑問ー。
なのに、すっかり引きまくってる俺に向かって、岳は熱く熱くひなあられを語り始めた…。

「ほんのり甘くて、かふかふの歯触りもたまらなくて、ざくざく口いっぱいに頬ばると最高なんだ!」
「…まあ、好きなだけ買えば?」

コメントに困ってしまって、とりあえず俺はワゴンの上の山のようなひなあられを一袋、岳の持ってるカゴの中に入れてやった。


かわいーけど、岳がひなあられ……ねぇ。


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ひなまつりはひなけーき。ちらしずし。…ケンタッキー。
二日に出して四日にしまう。
ひしもちの色つきのところは取り合い。
これが我が家。


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