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 Candle Odyssey 2007 NIGATA 報告2

新潟県中越地震は、2004年10月23日(土)午後5時56分に新潟県のほぼ中央に位置する小千谷市を震源として発生したマグニチュード6.8、震源の深さ13kmの直下型の地震。

ユーラシアプレートと北米プレート間で起こった逆断層地震。同市南東に位置する北魚沼郡川口町では阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)以来9年ぶりとなる最大震度の震度7を観測した。また、余震の大きさ(震度)・多さも特徴のひとつである。 『ウィキペディア(Wikipedia)』より

今回イベントに僕が参加した理由+役目として行ったのが「川口町の今を見て伝える事」が、重要なポイントでした。イベント会場からも、地震で崩れ落ちた山の斜面が修復された後が見えました。

赤丸のカ所が修復済みの場所です。
こんなに遠くから見てもわかるように、かなり広い面積が崩れ落ちたようです。




「震災の現場を、案内して欲しい」という願い出に、イベントオーガナイザーのヤスくんの友達で、川口町の実家もヤスくんの家のすぐ側にあるケンジくんが、快く答えてくれて、地震当時の話をしながら車で川口町と隣の小千谷を案内してくれました。

地震の時のタテ揺れや、その後の余震は、かなりの恐怖だったそうです。ケンジくんは、地震の時は小千谷で車の中に居たそうですが、車内もだいぶ揺れたそうです。
今ではあまり気にせず走っていた道路も、当時はバリバリにヒビ割れて、通行できなかったそうです。電車ももちろん、線路がグネグネに曲がってしまって、復旧にかなり時間がかかったそうです。

震災当時の様子は、ココで見れます。

道路も、よくみると新しいガードレールが多く見られましたが、これは全て作り直しをしたからだそうです。

小千谷に行ってもらったのは、ニュースでよく流れていた現場の今を見に行く為でした。

現場を見るケンジくん。




現場。赤丸のカ所は、ガードレールや道路が未だにそのま
ま落ちている。




この現場は、震災当時ニュースでよく流れていた場所で、母親はお亡くなられたそうですが、子供だけ奇跡的に救出された現場だそうです。未だに地震のあった当時のままで、道路やガードレールが落ちたままですが、この上に新たに道を作って近々開通するそうです。
しかし、生なましい風景は未だに残っているものですね。

川口の住宅地や街中を案内してもらった時に、よく空き地を見かけました。この空き地は、実は地震で家が倒壊してやむなく残骸を撤去したものの、新たに家を建設する事ができずに、結局空き地になってしまっている場所なんだそうです...。
空き地があった場所に、震災前には生活があったわけですから、この話を聞いてから空き地を見る度に、なんとも言えない切なさを感じました...。

震災後は、自衛隊が活躍していたのもよく覚えています。
仮設住宅に移る前は、自衛隊が設営してくれたテントに
ケンジくんの家族も生活していたそうです。畳1〜2畳のスペースに家族4人での生活。住む場所があったとはいえ、1ヶ月もの間この狭いテントの中で生活しなければならなかったのは「かなり厳しかった」と当時を思い出しながら話してくれました。テントでの生活の間、自衛隊員は仮設のトイレやお風呂を作ってくれたそうで、その行動力は、非常に頼りがいのあるものだったそうです。


今回のイベントを行った川口中学校の目の前に仮設住宅があります。ここは、川口町の仮設住宅で、他にも仮設住宅はあります。


仮設住宅の地図。




ここには、33世帯いらっしゃるそうです。

仮設住宅の今の様子。




今回のイベントは、仮設住宅のあるエリアの駐車場で行いました。仮設住宅とはいうものの、ホントにただのプレハブです。プレハブの長屋をアコーディオンカーテンで仕切って、各世帯ごとに人数を考慮して割当をしていたそうです。壁も薄いし、隙間風もひどかったようで「昨年の冬など、みなさんさぞ大変だったんだろうな...」と思いました。

現在、取り壊し中の仮設の中。




豪雪地帯のこの場所に、ただのプレハブの家で3年もの間、生活をしているのは老人の方も多い。
今年の10月でやっと仮設住宅が撤去になるそうです。ここで生活されていた方々は、県のはからいで、みなさん同じエリアの団地に入居することになっているそうです。

今でも仮設に住んでらっしゃる方々と少しお話をさせて頂きましたが、年配の方が多く、震災で家族を亡くされた方もいらっしゃったようです。

プレハブ住宅の唯一よかったところは、集会場があったことだそうです。
一人暮らしの方など、ここに集まってみなさんでお茶をしながら話しをすることが、楽しみになっているそうです。

孤独死をされる方もいらっしゃったそうで、「こういった集会場は、団地に引っ越しても設けて欲しい」とみなさんしきりにおっしゃってました。

今年は、雪が全然なかったのですが、生活はしやすかったようですが、様々なところでダメージを受けてらっしゃる方も多かったと聞いています。

毎年、雪解け水が田んぼを潤すようですが、今年の夏が心配だと言っていたのも気になりました。
今年の夏を迎えるにあたって、川口町をはじめ、多くの方が新たな不安を抱えて迎える準備をしなければならないようです。

今年の暖冬に関しては、私たち東京で暮らす人間、もっというと全世界的な規模で、みんな不安を抱えて迎える事に
なりそうですね....。


2007年03月03日(土)
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