Sun Set Days
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2001年12月17日(月) 森の動物たち�◆,�ま吉との出会い

 まさかの2夜連続登場。


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 Sun Setさんの空想のお友だち森の動物たちのなかでも、くま吉はみんなのお父さんのような存在だということができます。
 口数は少なくて、柔らかい毛をしていて、優しそうな目をしています。
 春になると冬眠から抜け出してきてたくさんの鮭を取ってくれるし、森の広場で焚火を起こして焼いた鮭を、みんなに分けてくれます。
 それにそれに、くま吉は魚を3枚におろすこともできるのです(手先の器用なくまなのです)。

 Sun Setさんとくま吉の出会いは7年前にさかのぼります。
 20歳の記念に、山登りをしようと思い立ったSun Setさんは、たいした装備もなく山に入り込み、そして蛇口をひねるみたいにあっさりと遭難してしまいました。
 前向きなのがとりえのSun Setさんも、空腹には耐えられず、リュックに入っていたチョコレートを少しずつ齧りながら飢えをしのいでいました。
 しかも、冷たい雨が降り出して、自然の洞窟のようなところに逃げ込んだSun Setさんは心細くなっていました。

 おうちに帰りたいよう……暖かいハウスクリームシチューが食べたいよう……(やけに具体的です)

 そして、そのとき洞窟の入り口に大きな暗い影が、

(く、く、く、くまだ!!)

 Sun Setさんは口から心臓が飛び出るんじゃないかっていうくらいに驚いて、そのまますぐに死んだふりをしました。
 くまに出会ったときには、死んだふりをしろって「山のぼりの友」3月号にも書いてあるのです(Sun Setさんは「山のぼりの友」を定期購読しています)。

 死んだふりをしているSun Setさんは、くまが自分に近づいてくるのがわかりました。

(た、た、た、たべられるー!)

 くまはSun Setさんの身体を触ります。
 それは安否を気遣うような触り方なのですが、混乱しているSun Setさんにはそれはわかりません。まるでえなりかずきがシャツをズボンから出してブラウン管に映っているくらい混乱しているのです。

 このままじゃ食べられる!
 Sun Setさんは焦っています。
 ここは、持ち前の機転でなんとか切り抜けなければなりません。
 そこで、Sun Setさんは考えました。
 この危機的状況をなんとか切り抜けることのできる方法を。

 





 

「し、しんでるよー」








 くまに聞こえるかどうかわからないくらいの小さな声で、Sun Setさんはそう呟きました。
 くまは不思議そうに首をかしげます。
 もう少しだ! 何を勘違いしたのか、Sun Setさんはもう一度「しんでるよー」と呟きます。







「おいしくないよー」







 くまはこの人間は心の病をわずらっていると、心底同情してくれます。心の優しいくまなのです。
 そして、くまは自分が採って調理した鮭のムニエルとくるみの蜂蜜漬けを持ってきてくれます。
 その料理でSun Setさんは飢えをしのぐことができたのです。


 おいしい料理はときに人とくまとの友情を育みます。


「お前っていいやつだね……」

 食べ物と贈り物と甘い言葉に弱いSun Setさんは、おいしい食べ物でくまのことを信頼してしまいました。
 すぐに相手を信頼することができるのはSun Setさんの得難い長所であり、決定的な短所でもあります。

「ほら、そんなに慌ててがっつくことはない」

 くまはむせて咳き込んでしまったSun Setさんの背中を優しく叩きながらそう言います。脱サラして夫婦でペンションを作ってしまった山オヤジのような優しい声をしています。
 Sun Setさんはあまりに嬉しくて泣きながら食べるので、しょっぱいのが鮭の塩なのか自分の涙なのかわからなくなります。

「いったいぜんたいどうしたんだい? こんな雨の日に」
 食べ終わったあと、洞窟の壁に並んでもたれかかって座り、不思議そうにくまがたずねます。
「遭難したんだ。もう3日もさまよっている」
「えっ☆□△○?」
 くまは本気で驚きます。
「そうさ、遭難したんだよ。ここは、いったいどれくらい山奥なのか判断もつかないくらいさ」
「な、なあきみ」
「なんだい……親友」
 Sun Setさんのなかでくまはもう親友です。
 くまはポケットのなかから(毛皮のなかにポケットがついているのです)、最新式のPDAを取り出すと、GPSソフトを立ち上げて、現在の位置を確認します(最近のくまの間ではこれくらい常識です。くまネットは7年前から無線LANでした)。
「……ほら、この洞窟の裏が散歩道だよ」
「えっ○△□☆?」
 今度はSun Setさんが驚く番です。自分は大変な山奥に迷い込んでいるつもりでいたのに、実は小学生〜中学生向けの遊歩道のすぐ裏にいたのです。
「そんな……」
 Sun Setさんは落ち込みます。この生死を彷徨った3日間はいったい……

「でもまあいいじゃないか」
 くまは言います。
「ほら君は無事だったわけだしさ」
「……そうだね」
 Sun Setさんはくまを見ます。優しそうな目をしています。額に肉って書いています。
「ねえ、君の名前は?」
「くま吉だよ。K・U・M・A・K・I・C・H・I☆」
「くま吉かぁ。いい名前だね。僕はSun Set。夕方に生まれたからSun Setって言うんだ」

 そしてSun Setさんとくま吉は仲良くなります。
 Sun Setさんは翌日に助けてもらったお礼に両手いっぱいのフルーツをくま吉に届けて、2人の友情がはじまったのです。

 そして、それをきっかけに、Sun Setさんは他の森の動物たちともどんどん仲良くなっていくのでした。


 ……つづく?


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 お知らせ

 絵本風にまとめてみました。
 くま吉って名前は、もちろん『蜂蜜パイ』の影響なのです。


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