Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will
| 2001年09月09日(日) |
『日のあたる白い壁』 |
今日はCoccoのベストアルバムを買ってきた。 厳密に言うと「買ってしまった」。 本当はCDを買うつもりはなかったのだけれど、店内で流れていて、「ああ、だめだ」と思ってしまって、まるで磁石にくっついてしまうように手にとって、初回特典8cmシングル付にもほだされ、そのままレジにいってしまったのだった。 ずっと気になってはいたのだ。 昔、村上春樹のロングインタビューが掲載されているということで購入した雑誌「広告批評」にCoccoのインタビューが載っていて、それを興味深く読んだときから、いつかちゃんと聴いてみたいと思っていたのだ。 ただ、その一方で聴きはじめたらどうしようもないくらいにはまってしまいそうな予感も確かにあって、そのためにずっと躊躇していた。だからマキシシングルを1枚だけ買って、そこで自主的にブレーキをかけていたのだ。 そうしたら、いきなりの活動中止宣言。それを知ったときにはいままで曲をちゃんと聴いたことすらないのにショックだった。でもそれも仕方がないことなのかもしれないとよく知らないのに思ったり。 よく知らないのに気になる人って絶対にいると思う。 そして、雑誌かネットか何かでCoccoがこれからは絵本を描きたいと言っているというのを見て、ああそれはいいと思うすごくとやっぱりよく知らないままに思って、つまり、いままでずっと(しつこいけど)よく知らないままにきていたのだ。何年間も。 でも、今日ついに買ってしまった。 ああやっぱりという感じ。 やられてしまう。 まだ聴きはじめだしいくつかの曲はそれまでどこかで聴いたことがあるものなのだけれど、それでもやっぱりこの人はすごいと思った。こういう歌い手がメジャーでいたんだというのはやっぱり驚きだ。 これ以上書くと最高に個人的な文章になるので以下自主規制。 ただ、いきなり叫び声からはじまるのには心からびっくり。
―――――――――
『日のあたる白い壁』読了。江國香織。白泉社。 この本が出ていることは前から知っていたのだけれど、なんとなくまだいいかなと思っていた。 今年は江國香織絡みがたくさん出版されていて、たくさん手にとる機会があったから、それにこれは小説でもないし、「絵画」についてのエッセイだし、そのうちでいいかなと思っていたのだ。 それでも、今日行った書店で結局購入。 実は最後まで迷った本があって、それはいかりや長介の自伝。 江國香織といかりや長介で悩む時点でもうちょっとどうかしているのだけれど、あの本はきっとそのうち絶対に買ってしまう。 子供の頃は「オレたちひょうきん族」よりも「8時だよ全員集合!」を見ていたし、大好きだったから、やっぱり気になってしまうし。 それに、いかりや長介は俳優としても上手いと思うし。
本自体はおもしろかった。たとえば、ゴーギャンの「感情の翻訳」ということばであったり、「高揚するというのは精神が研ぎ澄まされることであり、そのことと落ち着くこととは、不可分だ。」というところであったり、「たとえばゴッホが風を閉じ込められる画家なら、セザンヌは風を消してしまえる画家だ。」というところ。 もちろん、絵画について文章にするということはとても難しいことだと思う。まえがきに書いてあるように、「そこで出会った絵について書くことは、でも勿論私について書くことでした。」ということにならざるをえないし。 だからこの本に収められた文章を読んでいると、江國香織の好きなものや心惹かれるものの傾向が垣間見えてくる。それはもちろん他のエッセイやあるいは小説の一部にもとけこんでいるものなのだけれど、本当にこの人は率直だなあと思う。分別がありそうで物分りがよさそうでいながら、自分の好きなものについて実直なまでに自分の感情に従っている。でもそれがわがままでも独り善がりにもならないところは、この人の才能のひとつなんじゃないかと勝手に思う。 でもこの本を読むと美術館に行きたくなるし、そう思わせるだけでこの本はもうよい本ということになるような気がする。 個人的には一番好きなのはムンクで、いつかノルウェーにある「ムンク美術館」に行ってみたいとは思う。 それから、これはどこかで触れられていたような気もするのだけれど(村上朝日堂かなあ)、ムンクの『メランコリー』という絵に描かれている男の人は、安西水丸氏描くところの村上春樹氏そっくりでいつもちょっとだけ吹き出してしまうのだけれど。
―――――――――
○カラオケボックス�◆峅崑瑤気鵝焚松痢法�
<昨日のあらすじ>
カラオケボックスにきた委員長は、シャツをチノパンの中に入れていた。
ある部屋のお客さんが出ると、当然掃除をしに行く、そのときには当然廊下を通る。 その日、僕がある部屋を掃除してカウンターに戻ろうとするときに、カウンターのすぐ近くの廊下で、男子3人が一人の女の子を囲んでいた。女の子は大人しい感じなんだけれど可愛くはあって、いかにも男が好きになりそうなタイプ。男のうちの一人が「○○がさー、ずっと○○ちゃんと仲良くなりたいって言ってたんだよー」とかなんとか言っている。どうやら、男の中の一人が、その女の子のことを好きみたいだ。 じゃあ、あとは二人でとかなんとかやったのか知らないが、次に違う部屋の掃除に行ったときには、そこには二人だけになっていて、楽しそうに談笑していた。とくに、男の子のほうがなんだか必死に盛り上げようとしているのが感じられて思わず目頭が熱くなる。 同じシフトに入っていたアルバイトの人にその二人の微笑ましい話を伝えると、「今度の掃除行ってくるよ」と言う。その二人を見たいのだ。 戻ってくる。 「見ました?」 「かわいい子だな」 にやにやしている。 二人は30分以上話していたのだと思う。途中、他の部屋の掃除に行ったときにもまだ話していた。そして、掃除が終わって「あれ、いなくなったな?」と思って廊下の奥にある燃えないゴミを捨てるコーナーに行くと、なんと二人はそこに移動していた。まさかそんなところにいるとは思ってもみなかったので僕が驚く。
いよいよだ。
と大量の空き缶を大型のゴミ箱に捨てながら僕は思った。 廊下から場所を変えた。
やつは告る気だ。
もちろん、僕は興味津々ではあったのだけれど、急いで二人きりにしようとゴミを捨ててその場を去ろうとする。人がいたら告白だって(当然)しずらい。 そして、僕がその場を離れようとしたとき、
「あー、○○ちゃーん。ここにいたのぉー」
とひときわ甲高い声を挙げて、一人の女の子が廊下の奥にやってきた。 豪快な感じの、サザエさんで言うと花沢さんみたいな女の子。
「え、あ、うん……」
告白されようとしていた女の子は、新たに登場した花沢さん(仮称)に向かってそう小さく答える。
「あー、何よー○○(男の名前)。こんなとこにつれてきちゃってー。なんか変なことでも考えてたんじゃないのー」
花沢さん(仮称)はそんなふうに大きな声で言って、大きな声で笑う。
「な、何言ってんだよ、なあ」
「う、うん……」
「ほら、○○ちゃん。行こうよ、みんな待ってるわよう」
そして、花沢さん(仮称)はもう一人の女の子の腕を引っ張り、そのまま人攫いのごとく連れて行ってしまった。
その間、わずか数秒。 後に残された男は、おそらくは談笑の間ずっとタイミングを計り続けていたはずの男は、そんなふうにしてあえなく告白のチャンスを逃したのだった。 その出来事をアルバイトの人に話すと、そうか……と遠くを見つめていた。 おしかったのだとは思う。 もう少し決意を固めるのが早かったら、もしかしたらもしかしたかもしれないのに。
おそるべしは花沢さん(仮称)。
学園祭の打ち上げの夜。そこには様々なドラマが……
―――――――――
お知らせ
次回カラオケボックス��「裸族来襲」は、そのうち公開予定。
|