Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will


2001年09月08日(土) Days Marathon

 今日は珍しく夕方更新。しかもいつもよりかなり長く。
 唐突に、衝動に駆られてしまったのです。長く! もっと長く! って。
 ということで、今日は脈絡なく気力が続く限り書き続けます。
 Days を。
 今日は疲れているとかそんな気分じゃないという人は、このままブラウザの「戻る」ボタンを押してください。
 疲れます。
 元気な人で奇特な人は、お付き合いください。
 いきなりスクロールでどのくらい長いのかは確かめないで読み進めることをオススメします。
 だって、本当に長いので。
 ある意味、マラソンのように。
 
 Days を書くときには実は個人的なルールがあって、基本的には30分〜1時間で書くようにしている。
 つまり、仮の上限が1時間。
 日記を書くために他のやりたいことができなくなってしまうのは本末転倒なので、そういうことに(一応)している。
 けれど今日は上限なし。
 だって、長く! もっと長く! と心の声が。
 基本的には、衝動には突き動かされるようにしているのです。
 それでは、スタートです。


―――――――――

○カラオケボックス� 岼儖�長」


 僕は学生の頃カラオケボックスでアルバイトをしていたのだけれど、そのときには様々なお客様がいた。
 そのときの話をし出すときりがないのであまりしないのだけれど、ある夜の話をしようと思う。
 最初はまず、「委員長」の話。
 もちろん、本当の名前はわからないのだけれど、僕らの中では彼はそういうあだ名だった。
 その夜の話。

 その日、カラオケボックスは随分と混み合っていた。僕は午後6時から深夜1時(閉店)までのアルバイトだったのだけれど、10分ほど前にカウンターで確認すると、切れ目なく予約が入っている。あれ? と思って訊ねると、今日は地元の高校の学園祭だったのだと言う。つまり、その打ち上げに様々なクラスが予約をしていたのだ。
 ちなみに、僕が当時住んでいた町には大人の飲み屋街と学生向けの飲み屋街があって、僕がアルバイトをしていたカラオケボックスは学生向けの飲み屋街のほうにあった。だからお客のほとんどは夕方までは高校生、それ以降は大学生と結構区別されているようなお店だった。常連さんもそれなりにいて、友人も校内で見たことのあるような顔も結構歌いに来ていた。
 早番の人たちと交替すると、さっそくラッシュがはじまった。くるわくるわの大軍団。当然一つの部屋には入りきらないから、3つの部屋を一クラスが使うような状態。高校生活のある種のメインイベントの一つでもある学園祭が終わったばかりとあって、やたらとテンションが高い。まるで三日間餌をもらっていない猿みたいな感じ。
 いくつかのクラスがいたから、当然知り合いも多いのか、廊下でも、入り口横のテーブルと椅子の待合スペースでも、とにかくもううるさい。ふらりとやってくるお客さんも、あまりの騒ぎに思わずひいてしまうくらい。
 そして、7時過ぎに、委員長がやってきた。
 ボタンダウンのシャツにチノパンといった姿の委員長は、そのクラスの級長か何かのようだった。痩せていて、眼鏡をかけていて、シャツをチノパンの中にちゃんと入れている。予約をしていたのも彼で、カウンターに少しおどおどしながら予約をしていたことを告げる。僕はリモコンとマイクと伝票を渡し、部屋の場所を伝える。
 ぞろぞろとそのクラスが移動して行く。
 そして僕も彼のことは忘れていた。

 それから1時間と少し、
 その部屋の男の子たちがぐでんぐでんに酔っ払った委員長を肩に抱えてカウンターまでやってきた。事務所で休ませてもらえないかと言う。
 お酒は出してはいなかったのに、持ち込みでもしたのか自動販売機で買ったりしたのか、ひどく酔っ払っている。頬も首も真っ赤だ。
「やばいんじゃないの」と言う。
「休ませてもらえれば大丈夫だと思いますから……」
 仕方なく事務所に入れて横にする。委員長は苦しそうに息をしている。一緒にアルバイトをしている人が心配そうに彼を見ていた。委員長を連れてきた男は再び部屋に戻り、それから何人かが定期的に事務所まで様子を見に来た。中には委員長を指差して手を叩いて笑っているやつもいた(ほとんどの奴は神妙そうに覗き込むのだけれど、そういう奴もいるのだ)。
 委員長はしばらくすると「ちょ、ちょっと……」とふらふらと立ち上がり店の外に出て吐いた。僕はやれやれと思いながら彼に声をかける。クラスメイトが彼の背中をさすっている。
「病院連れてくか?」
 いちおう自分で歩けるのだから大丈夫だろうと思いつつもそう訊いてみる。クラスメイトが滅相もないという表情で首を横に振る。
 そりゃあそうだ。酒を飲んだことがばれたら停学だろうし。
 ただ、委員長は吐いた後青白くすらなっている。事務所の椅子に横になっている姿は、まるでちびまる子ちゃんに出てくる丸尾君みたいだ。「うー」とか「あー」とか、まるでこの世の終わりを予言する占い師みたいな声を出している。具合が悪いのはわかるのだけれど、なんだかオーバーなリアクションなのだ。たぶん、真面目過ぎて物事をまっすぐに捉えすぎているんだろう。
 クラスメイトたちの何人かは、事態を深刻に捉えていたのだと思う。やばいんじゃないの、というように。少なくとも迎えにきてもらおうということにはなったようで、しばらくすると一人が事務所にやってきた。
「ご迷惑をおかけしてすみません。迎えが来たんで……」
「そう」と僕は店の外を見る。確かに車が停まっている。





 白い軽トラックが。





 クラスメイトたちは委員長を持ち上げて(彼は飛行機のように水平に持ち上げられていた。「そう、人類はついに空を飛べたのです」という森本レオのナレーションがつきそうな感じ)、それからそのままトラックの荷台にのせられた。そして、荷台の後ろの部分を固定すると、そのまますぐにトラックは走り出した。
 荷台に置くなよ……とは思ったのだけれど、一人付き添いがいたからまあ介抱はできただろう。
 委員長はたぶん驚いたに違いない。いきなり持ち上げられ、トラックの荷台に載せられたと思ったら、いきなり出発。
 まるで「ドナドナ」の子牛のよう。
 真面目な委員長という感じだったから、今日のことを後悔するのだろうかと想像してみる。
 クラスメイトに醜態をさらしてしまったわけだし。
 でもまあ、とりあえずは、迎えが来てよかったなと、そのときは思ったのだった。


 そして委員長騒動が終わってちょっとすると、今度は廊下で恋愛沙汰がはじまりだした。
 この話は明日のカラオケボックス�◆峅崑瑤気鵝焚松痢法廚砲弔鼎�。


―――――――――

○一昨日の夜の話


 一昨日の夜(0時前後)は散歩をしていた。
 大体1時間くらい。
 仕事が一段楽したので気持ち的に気楽だったこともあって。
 僕は大体無印良品で買った小さなショルダーバックを斜めがけして散歩に出る。
 バックの中には文庫本と「フリスク」。
 文庫本は散歩の途中にモス・バーガーとかに入ってしまったときに必要だし、フリスクはそんなに好きじゃないのに1日1箱は食べている。
 そして、いつものコースをどんどん歩いていた(僕は歩くのがとても早い)。

 散歩コースの途中にはなだらかな坂道があって、その両側にはたくさんのマンションが並んでいる。
 僕の住んでいる近辺は都内への通勤者が多い地域で、やたらとマンションが多いのだ。
 そして、その坂道を歩いているとずっと上の方からがらがらという音が聞こえてきた。
 見上げると、スケボーに乗った男の人がゆっくりと降りてきている。
 帽子をかぶって、白いトレーナーに短パン。
 なだらかな坂道だからゆっくりとおりてくる。
 途中すれ違って、一度振り返ってみると坂道の行き着くところ(国道)の方に向かってやっぱりがらがらとゆっくり下りていた。

 僕は散歩の折り返し地点で引き返し、それから再び同じ道を戻る。
 すると、先程の坂道のところで、同じ男とすれ違った。
 今度は僕が坂道を下りていて、男はスケボーを手に持って坂道を上っていた。
 そして、坂道を下りきってからもう一度振り返ると、男はやっぱりまたゆっくりと坂道を下ってきているところだった。

 男がスケボーの練習をしていたのかどうかはもちろんよくわからない。
 けれども深夜の静かな住宅街で、一人で繰り返し坂道を下っている姿は、男の表情が頑ななものであったが故に、なんとなく奇妙なものがあるのだった。
 夜には本当にいろいろな人がいる。
 もちろん、夜中にふらりと散歩に出てしまう自分もそうなんだけれど、大声で喧嘩しているカップルも見たことがあるし(人目もはばからずに罵り合っていた。あれは本当にびっくりした)、電柱に寄りかかってぶつぶつ言っている酔っ払いを見たことがあるし、何十台ものバイクが国道をふさぐような低スピードで走っているのも見たことがある。
 夜になると、ちょっとだけいろんなことがずれる。
 それがよいことであれそうでないことであれ、ずれの中でしか目にすることができないこともきっとあるのだと思う。


―――――――――

○Yahoo! Japan


 昔、インターネットをはじめたばかりの知人が「ヤホー、ヤホー」と言っていた。
 何だよそれと思っていたのだけれど、案の定それは「Yahoo!」のことで、たぶんそういう人はたくさんいるはず。
 ちょっと想像してみる。



 世界最大の検索ポータルサイト「ヤホー!」



 能天気すぎて、検索全部外れそうだ。



 そしてもちろん、同じ理屈なら「ゴー」=「goo」。
 ちょっと想像してみる。


 ロボット型検索のパイオニア「ゴー」



 なんでもかんでも、検索に引っかかりそうだ。


 発音って、むずかしい。


―――――――――


○the % story

 数字はとても正直だ。会社の中にいると、明確な数字がない説明なんかは非常に説得力が足りない。コストのことを加味しないとどうしても抽象的になってしまうし。だから、様々な数字を把握してできるだけ具体的な例示とともに報告したりする。そうすると通りやすい。稟議をあげるときなんかなおさら。

 最近ちょっと考えていたのが、感情にパーセントを適応しようということ。
 どういうことかと言うと、日常の中でちょっと嬉しいことがあったとする。
 そういうときに考える。

 15%

 というように。
 そのくらい嬉しい出来事、ということ。
 ムカツクような出来事が起こったときに

 78%

 と思ったりしてみる。
 すると、意外と平気になる。
 なんだ、70%台かと。

 もちろん、そんなのはただの論理のすり替えだし言葉遊びだし、感情をそんなふうに数値化することができるはずもないのだけれど、それでもあえて感情を数値におきかえてみる。
 すると、思いがけず客観的に考えることができるようになる。

 そしてそれは、基本的には自問自答にしか使わない方がよいと思う。
 悩んでいる人に、

 その哀しみは32%だよ

 とはとても言えない。


―――――――――

○アブフレックス


 以前、深夜のTVショッピングで「アブフレックス」という健康器具を販売していたことがあった。
 飛行機のような形をしたもので、腹筋だか上半身全体の筋肉だかを鍛えるやつ。
 そしてそれと同じものが近くのショッピングセンターでも売られていた。
 へぇー、これテレビでやってたやつだと思って箱を見ていると、ちょっと小太りの男の人がやってきて、結構真剣に箱を手にとって検討しだした。ああ、なるほど、ものすごく太っているというわけではないけれどちょっとニクが気になり始めたというような感じだ。そういうときに「アブフレックス」。ちゃんと対策をねっているというわけだ。
 と感心していると、その男性は「アブフレックス」を手にとってレジの方に向かって歩いていく。
 そしてレジで購入していた。

 その五分後。
 僕は今度は食品売場にいた。何にしようかなと迷っていると、さっきの「アブフレックス」男がやってきた。



(あ、さっきの奴だ)



 と男を見る。当然片手には「アブフレックス」がもたれている。これからの彼のダイエットにかける意気込みが伝わってくる。



(……あれ?)


 
 男の買い物篭の中に入っていたものがどうしてか「?」だったのだ。



 ピーナッツチョコ、


 ポテトチップス、


 コカ・コーラ(ペットボトル)


 アイスクリーム(ファミリーパック)


 なんかが入っている。
 もう片方の手には「アブフレックス」が。


 ……


 ……



 役にたたないこと決定。





 たぶんあれは、参考書を買っただけで勉強をしたような気持ちになるのとおんなじだったはず。
 わからないでもないけれど。
 ちょっと意志弱すぎ。


―――――――――

○雪虫


 雪虫という名前の虫がいる。
 これはもちろん正式な名前ではないのだと思う。
 ただ、北海道の人にとっては結構馴染み深いものなんじゃないだろうか。
 冬のはじまりの時期になぜか大量発生する、遠めには雪のように見える白くて小さな虫。
 雪虫が出ると、数日後に初雪が降るとよく言われていた。そして、そのある一時期を過ぎると、雪虫はぱたと姿を見せなくなってしまうのだ。それだから、不思議なもので、それは名前の通り冬を運んでくる虫であるかのように思っていた。
 高校生の頃は、いわゆる学ランの学校で自転車通学をしていたから、雪虫の時期自転車を降りると制服にかなりの数の雪虫がついていた。
 それをはらって、教室に入る。
 秋を過ぎると、夕暮れはどんどん早くなって、帰りには随分と空が高い。
 帰りもまた雪虫をたくさん制服につけながら、耳や鼻にもたくさん入りながら、もうじき初雪が降るのだとよく思った。

 一度、河川敷近くのだだっ広い空き地にまるで吹雪みたいに雪虫が群れているのを見たことがあって、そのときにはどうしてもその空き地の中にどんどん入り込んでいってしまった。
 あれは、なかなかに忘れ難い光景だった。

 もう何年も、雪虫を見ていない。


―――――――――

○World Tune


 ここ数日の関東地方は随分と涼しくて、秋の訪れが感じられるような気配だった。
 曇り空のせいかもしれない。
 天気がよくなったら、ふたたび夏の暑さが盛り返してくるのかもしれない。
 季節には、よくそういうことがあるような気がする。
 新しい季節が訪れたように思わせておいて、もう一度戻ってしまうというような。
 そして何度かそれを繰り返して、あるとき気がつくとすっかりその季節になっているのだ。
 やられた! という感じ。

 日々の変化も季節の変化も、あるいは他のありとあらゆる変化も、慌しい日々の中ではつい忘れがちに見落としがちになってしまう。
 忙しくて視野が狭くなってしまったり、気がつくことのできる余裕や心持ちを失っていたり。
 理由は様々だけれど、現代の社会においては、とてもそういうことばかりにかまけてはいられないのだ。
 コンクリートに囲まれて、人工的な場所で日々を過ごしていかなければならないのだから。


 というのは、もちろんすべて言い訳。


 現代人の得意技は言い訳だから、自分に都合のよいように事実を押し曲げてしまうことだから、最もらしい言い訳なんか1ダースくらいいくらでも出てくるのだ。ただ、自分の中にあるシャッターのようなものを自分でおろしてさえしまわなければ、ふいにそういうものに触れてしまったときにまだ受け取ることができるし反応することもできる。
 小難しい理由なんか、うつくしい光景の前には消失してしまう。
 声なんかいくらでも失われてしまう。
 難しい理由はいらないのだ。
 すべては、基本的にはたんじゅんなことなのだ、いつも。
 複雑にしているのはこちら側のほうなのだ。
 でも本当はこちら側もたんじゅんなのだ。
 難しく考える必要はないのだ。


 ということで、
 僕は昔から、自分の中では「世界の周波数」という表現をよく使っている。
 そして、一人一人の人が時と場合によって周波数を使い分けているのだと思っている。
 ある周波数の時には、仕事モードだし、
 ある周波数の時には、ふざけて冗談ばかり言って、
 ある周波数の時には、真面目で深刻な話題を口にする。
 ある周波数の時には、どうしようもないくらいにやさしいかもしれない。
 そんなふうに、一人の人が幾つもの周波数を使い分け、日々を送っている。

 宇宙からの怪電波を浴びているというわけではなくて。

 そして、根底には常にノイズが流れている。それは日々がうまく行かないと思っているときには増幅し、順調に進んでいるときには遠くへ追いやられる。それでも、基本的にはいつでも、ノイズは常にそこにある。
 そういう状態。
 ただ、ごくごくまれに、いろんな条件が重なり合うときがあって、ノイズがクリアになる瞬間があるんじゃないかとも思う。
 そういうときに、人はどうしようもないくらいに深い達成感であるとか充実感を感じたりするのだろう。あるいは、(この言葉は本当はあんまり好きではないのだけれど)癒されたり。そしてそういう瞬間が何度かあるからこそ生きていける部分があるのだ。
 そして、そのノイズがかき消される瞬間は、基本的には何かをやり続けていないと訪れ難いもので、それが仕事でも勉強でもスポーツでも、それから趣味の世界でも、あるいは人間関係の中でも、個人的な悩み事であっても、訪れる瞬間というものはあるんじゃないかと思う。
 世界の周波数。
 それをゆっくりと回し続けながら日々を歩いていくのだ。
 そしてそれは本当はとてもたんじゅんなことなのだ。


――――――――――

 ……ということで、このあたりで止めておきます。
 はたと気がつくと、「長く! もっと長く!」という衝動は途中でどこかにかききえていました。
 誤字脱字を発見するために一度読み返してみたのだけれど、本当にやたらと長い。
 一瞬、これを小出しにしたらDays が楽になるかなとも思ったりもするのだけれど、基本的には日々で勝負だとは思うので却下。調子のいいときもそれほどではないときでも、その日その日の文章が Days に繋がってくるというほうがよいし。
 こういうふうに書き連ねてしまうのって本当に個人的な、自己満足的なものに過ぎないのだけれど、Webという媒体を経由してそれを読んでくれる人がいるというのは考えようによっては面白いかなと思ったり。
 でもこんな量なら本当に嫌がらせみたいだ。
 最後まで読んでいただいた方がいたらありがとうございます。
 明日からは、通常のDays に戻ります。
 ちなみに、BGMは久しぶりに取り出して繰り返しリピートしているL⇔Rのアルバム「Doubt」でした。


Sun Set |MAIL |HomePage

My追加