良いものと悪いもの

果たして「名作」という基準はどこにあるのであろうか?

先日、劇場のスクリーンで初代「ゴジラ」を見る機会があった。
この作品確かに名作と呼べる代物なのだが、少し気になることがある。
あまりにも神格化しすぎなのである。
ある書物はこう書く「ゴジラは神の遣わした獣である」と。
果たしてそうであろうか?確かに反戦反核を訴えた映画であるが、
その根幹にあるテーマがあまりにもチープであり、どちらかといえば
「ゲテモノ映画」的ノリがあったのではなかろうか?
当時、第五福竜丸の被爆事件があり反核に対しての切実な願いがあった
とはいえ、特撮映画諸紙が書くような深い反核の思いがこの映画に
あったかどうかはわからない。
そもそもストーリー自体が前年に公開された「原始怪獣現わる」と
ほとんど同じである事からも伺い知れる。
結局のところ反核と言うテーマは日本によく有りがちな建て前を
必要とするためにつけたものではなかろうか?
それを一部のファンが神格化し「神の獣」などと嘯くのは
いかがなものかと思うのは少々ひねくれた解釈であろうか?
とはいえ、この作品が後世に与えた影響は筆舌に尽くし難いものがある。
その後の怪獣ブームや日本特撮のパイオニアとなった点から考えて
やはりこの作品は「名作」といえることができるであろう。
2001年08月21日(火)

Dag Soliloquize / tsuyo