よるの読書日記
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2007年06月10日(日) メタファー


おそらく作家は自分で面白い(あるいは売れる)と思うものを書いてる筈で
読者から見て好きな作家が褒めている作品はやっぱりいいことが多い。
まあ京極夏彦が好きだからって妖怪ものばかり読む人は稀でしょうが。

そんなわけで恩田陸オススメ『航路』上<コニー・ウィリス>。
水のようにすいすい飲める上等のお酒に例えていましたが、
分厚いですけど本当にすいすい読めます。
科学的な視点からNDE(臨死体験)を解明しようとする心理学者
ジョアンナと医師リチャードが主役。
最初の所の人物紹介がいい味です。読み終わってから読むとにやりと
してしまう。

あとタイタニックのエピソードがいくつも出てきて興味深い。
これが後半どうまとまっていくのかすっごい気になりますが。
ジョアンナじゃないけど現実にあった話のほうがよっぽど
ドラマチックなのに、何であんなぬるいラブストーリーに
しちゃったんだろう映画。

章ごとについてる著名人の臨終の言葉コレクションやら
心臓病の少女メイジーが大好きなな災害の話、
そもそも病院で臨死体験研究する「死」だらけの怖い小説ですが
ユーモアもあって(かなりブラックだが)話にのめりこんでしまいます。
やっぱり「死」を考えることが「生」を思うことだからでしょうかね。


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