よるの読書日記
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2003年12月25日(木) ブレイン、ソウル、ハート

『天使の牙』<大沢在昌/小学館>
映画やってましたね。延期さんと観る候補には上がったが、
どうにも微妙な気がして他のにしたという。
ちなみに映画で大沢たかおがやってた役は原作では「仁王」
という名の大男です。ヒロインももうちょっと大柄骨太な
人にした方が良かったのかも。瀬戸朝香とか。

脳移植を題材にしたサスペンスです。
ちょっと違うけど新井素子の作品
『今はもういないあたしへ……。』<ハヤカワ文庫?>
をどうしても思い出してしまいますが、あれは
ハイパー暗い話であったなぁ。
そこへ持ってきて今回の場合、身体を損傷した女の脳を、
頭部を損傷した女の身体に移植する設定なので。
刑事として心身ともに健全・頑丈に鍛えた明日香と、
男に愛玩されるために美しさだけを磨かれてきたハツミ。
同じ女というだけでこれだけ違う身体を与えられて、
戸惑うなという方が難しいだろうと私でも思う。
例えば私のような凡人だとしても、いきなり別の人間の
身体になってしまったら。
視力が違えば見えるものが、身長が違えば目線の高さが変わる。
想像しただけで目眩がしそうだ。乗り物酔いに近いかもしれない。
性別まで変えられちゃったら自殺しちゃうかも。

嫌いな所もいっぱいあるけれど、自分の身体が自分の居場所。
消したい傷もしみも、今まで生きてきた証なのだ。
そう思うと何だか自分の身体が愛しく思えます。
部分部分はある程度仕方ないけど(義手義足入れ歯臓器角膜など)
できれば自前でこのまま生きていきたいものです。
親からもらった大事な身体ですから。


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