よるの読書日記
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| 2003年12月08日(月) |
さァ、私と不幸になりましょう……(『空蝉』より) |
『写真集 窯変源氏』<おおくぼひさこ 写真/橋本治 文/中央公論新社> 『源氏供養』上<橋本治/中央公論新社> 高校時代読んでたんです。『窯変源氏』。ふいに思い出して 手にとってみました。 当時なけなしのお小遣いをこれを揃えるのにつぎ込んで、 「面白いの?」 と妹に聞かれるたびに 「全然!」 と答えて奇異な目でみられていたという……触られたくなかったんです。 写真集は、カバーなどに使われていたのを集めたもの。 平安朝なのにモノクロで、白人モデルを使った何とも シックな写真が並んでます。オトナ。
光源氏は「マザコン」というのが一般概念ですが、 橋本センセイの説明は目から鱗でした。 元々父帝の後宮にいたのは母と同年代の「おばさん」なわけです。 そういう人たちは相手が子供という気安さから普通に接してくる。 けど、新しく入った藤壺は自分と年も近いし若くてきれい。 父と一緒に遊びにきた義理の息子に対しても、顔を見せぬように 振舞う。そこに、光君は「女」を感じたわけだと。なーる。
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