よるの読書日記
DiaryINDEX|past|will
1.貴女には親子以上に歳の離れた夫(恋人)がいます。彼は優しくて 包容力があってお金持ち。ところが彼が不治の病気になりました。 極秘ですが、彼の血を引く胎児の脳を使えば治るかもしれません。 貴女はまだ若く、彼の病気が治れば今後も母親になるチャンスはあります。 大切な人のために、中絶するために妊娠できますか?
2.貴女は会社を経営するキャリアウーマン。 夫は亡くなり、不妊治療をしてまで設けた息子も事故で失いました。 ある日、治療に当たった医師からとんでもないことを打ち明けられます。 体外受精に使用した受精卵の半分が残っているというのです。 それがあれば息子と全く同一の遺伝子を持つ子供を再び産めるのです。 貴女はどうしますか。 目先を変えてアンケート形式で迫ってみましたが(誰にだ)、 設問は『エンブリオ』 <帚木蓬生/集英社>から出してみました。 エンブリオとは、日本語で言うと胎芽になるのかな、 妊娠のごくごく初期の段階の胎児のことです。 若いながらも天才的な医療技術と頭脳を持つ医師による超骨太の ピカレスク(だと思う)。 いろんな技術を使ってそれこそやりたい放題やってて、倫理なんて 軽々飛び越えちゃってる人なんですが、 これがどれもこれも今後技術として確立する可能性があったり ていうかもう誰かやっちゃってる危険性がありそうなものばかり。 恐ろしいな生殖技術。 人間てさー、そこらにいる虫の生態についてもまだよく わかってないのがあったりするのによくやるよねーこういうことを。 トキとかパンダとか、 「そんなのクローンで増やせばいいじゃん!」 なんて思ってる研究者もいるんだろうな……。
実際自分が不妊症だったりしたら、どこまでやるかなぁ? あるいはパートナーがそうだったら。 ホルモン投与。体外受精。顕微受精。ドナーバンク。代理母。養子縁組。 考え出すと結構怖い。
|