よるの読書日記
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『雪が降る』<藤原伊織/講談社文庫> 短編集です。賭博好きの中年サラリーマン(でも仕事はできる)とか、 藤原さんらしいキャラクターが出てますね、やっぱり。 でもちょっと純文学っぽい作品もあって、この幅がさすが 史上初直木賞と乱歩賞のW受賞。 『テロリストのパラソル』の島村氏も出てるし、 あの名作『てのひらの闇』の原型と呼ぶべき小編もあります。 私は長編の方が好きだけど、お得感はありますね。
ところで藤原氏東大出の電通マンという羨ましい経歴の持ち主で あるようですが、麻雀好きと言う悪癖もお持ちのところがまあ 知り合いでなければ「人間味」で片付けられる範囲の欠点と いう所でしょうか。この本の解説は作家の黒川博行氏。 なーるほど、鷺沢―黒川―藤原、の作家麻雀トリオ……。
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