よるの読書日記
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| 2003年10月08日(水) |
die Geschichte |
『総統の防具』<帚木蓬生/日本経済新聞社> 東西ドイツの統合後に発見された防具。 それは軍国日本からナチスドイツ総統への贈り物だった……。
緊迫した情勢下で燃える日独混血の日本軍人とユダヤ人少女の恋、 日に日に深められる日本大使館とヒトラーとの関わり、 優生保護の考えのもとに行なわれた精神病患者への弾圧。 特に逼迫していく精神病院の描写は、作家自身が精神科医だけに 静かな怒りを感じます。 激流のようなドラマですわ、うーん。骨太で読み応えあります。 ユダヤ人への迫害だけでなく、病人や障害者なども派手に 差別してたのですね、あのちょび髭は。日本人のことは黄色い猿とか 思わなかったんでしょうか。内心思ってたかもねー。 「ミカドにはドイツ人と同じ血が流れてる」位は信じてたかもしれん。
私は言語にめちゃめちゃ苦労したので(第二言語のせいで 卒業できないかと思った)、どうもドイツには劣等意識があるみたいです。 5年ぶりに独和辞典引いたよ……。
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