よるの読書日記
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『北陸悲恋伝説の地を行く』<子母澤類/北國新聞社> 白い肌、黒い髪、待ち焦がれていた恋しい男の愛撫、 絡みついてくる浅黒く逞しい体に熱くなる血潮、 「ああ……。」 −−大体全篇こういう感じだと思っていただいて結構です。 著者もあとがきでぼやいてましたが、悲恋伝説といっても そうそうそのヒロイン、ヒーロー達の実像というのは 伝わってないようです。田舎の口伝だから しょうがないでしょう。なかなか難しい仕事だったんじゃないかなー とちょっと同情。伝説の地って行ったところで記念碑だのが あるわけでもないだろうし、思いを馳せる位しかしようがないとこの ほうが多いだろうし。企画がちょっと名前負け。
しかし「北陸」とつけておいて石川県の話が主流なのがやや残念かな? 知ってる場所が幕末・明治初期心中の名所だった、というのは 大変に興味深かったです。自殺はよく聞くけど心中ってのは ちょっと変わってるよね。
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