よるの読書日記
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2003年06月21日(土) 浮遊

『ローズガーデン』<桐野夏生/講談社文庫>
『顔に降りかかる雨』『天使に見捨てられた夜』<講談社文庫>の
主人公、村野ミロの世界を描いた短編集。表題作は夫の視点から
描いた少女ミロ。前出の作品もこの本に収録されている他の短編も、
このシリーズってミロの一人称が基本だったんですね。だから正直
ミロの過去にはたまげた(@_@)。あぁーえぇー。そっか、人間
後ろ暗いことやあまり大っぴらにできないことって語らないよね。
でもミロさんの場合「過去のことだし」とか「大したことじゃないし」
言うほどのことじゃないと本人は思ってるような気がしないでも
ないが……。
この作品で、父親が暴力団の調査屋という事実を差っ引いても、
大学出て就職して結婚して、と一見普通の人生を歩んできてるのに
彼女が持っている、不思議な違和感を解明する糸口をつかんだ様な
気がします。


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