よるの読書日記
DiaryINDEX|past|will
『ローズガーデン』<桐野夏生/講談社文庫> 『顔に降りかかる雨』『天使に見捨てられた夜』<講談社文庫>の 主人公、村野ミロの世界を描いた短編集。表題作は夫の視点から 描いた少女ミロ。前出の作品もこの本に収録されている他の短編も、 このシリーズってミロの一人称が基本だったんですね。だから正直 ミロの過去にはたまげた(@_@)。あぁーえぇー。そっか、人間 後ろ暗いことやあまり大っぴらにできないことって語らないよね。 でもミロさんの場合「過去のことだし」とか「大したことじゃないし」 言うほどのことじゃないと本人は思ってるような気がしないでも ないが……。 この作品で、父親が暴力団の調査屋という事実を差っ引いても、 大学出て就職して結婚して、と一見普通の人生を歩んできてるのに 彼女が持っている、不思議な違和感を解明する糸口をつかんだ様な 気がします。
|