よるの読書日記
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2003年06月12日(木) 悲まわり

『ひまわりの祝祭』<藤原伊織/講談社>
うーん。うーーん。前の作品がミステリとしても(設定だけでなく!)
読み応えがあったので、すっごく期待したのがいけなかったかしら。
ちょっとがっかりしてしまった。今回の主人公はアル中ではなく、
元ヤクザの息子でも元ボクサーでもなく元絵描きで非力です。
でも世捨て人同然の暮らし、というかどうも社会からドロップアウト気味、
と言う点ではまあ同様。そして野放図で破天荒な言動を繰り返し
危なっかしい魅力を持つヒロイン。これもお約束のようですね。
そして望まない妊娠(とその結果)。何だかなぁ。
私だって安易な選択は嫌いですが、それを選んでも仕方ない事態でも
誰も病院に行かないのは何故?まず不本意な原因があった時点で
医者に事情を話して措置してもらうことはたぶんできると思うのですが。
何か産婦人科方面にトラウマでもあるんですか伊織センセイ。

ゴッホのひまわりがもう一枚あった、という話は夢があっていいんですがね。
それを巡って起こる事件が悲しすぎる。悲しい夢は嫌い。


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