よるの読書日記
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『ヒトラー検死報告』<同朋舎出版/ヒュー・トマス> ネオナチな人に是非読んで欲しい一冊。 著者は世界的に高名な外科医だそうで、当時の検死資料や 死の直前の映像などから、明快な結論に達しています。 曰く、ヒトラーは自殺ではない。 晩年の彼がパーキンソン病だった、というのは一部に知られた 話ですが、どうも映像や関係者の証言によると相当進行していた らしいのです。悪いけれどそんな人が、銃の引き金引いたり、 毒物のカプセル噛み砕くといった力のいる動作はまず無理。 死の直後の状況も関係者間でかなり食い違ってるんだって。 つまり、あのちょび髭の総統さんは、自らが取り立ててやった 側近さん達によって厄介払いされちゃったと言うわけだ。
更に付け加えると、どうも一緒の死体はそれらしい偽装工作は してあるもののエヴァ・ブラウンではないらしい。 女にも裏切られてしまったのね。最後の日々を過ごした地下室 というのも、換気の設備が不十分で随分と素敵な環境だったようです。 幹部の子供達まで悲しい最期となったのはちょっと可哀想ですね。 ただこの本、ナチスドイツやヨーロッパ戦に詳しくない私には 逃亡した幹部の逃走経路の話だとか読んでもわからないところも 多かったです。そこがちょっと、欧米の読者に向けて書かれた 本と言う感じで難しかった。
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