よるの読書日記
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| 2003年03月01日(土) |
父と娘、そしてことばについて |
処女作『409ラドクリフ』も収録の 『江国香織とっておき作品集』<江国香織/マガジンハウス>。 ラドクリフって言ったら今や世界一有名な中学生のことですが、 この本に用いられているのは地名としてです。ここで起こる恋愛模様を いかにも江国香織らしく書いていて、唸らせられます。 やっぱり抜群だと思うのは彼女の言語感覚。 タイトルからいつもうーーむ、一本取られたと思ってしまう。 今回もこの「とっておき」、この特別な感じ。 子供の頃、大事に大事にしまっていて、何度も何度も 取り出しては眺めた宝物を思い出させます。 あと、お父様自らが書かれた成長の記録も興味深い。 ていうか羨ましいです。まーうちの父の悪口は大概ネタに しちゃってるのであまり書きませんが。いいところもあるんですよ。 例えばですね、えーーー、暴力をふるわないとか。(←当たり前だろう!)
『十五歳の残像』<江国香織/新潮社> 作者唯一になるだろうインタビュー集です。 各界の著名な男性に十五歳の頃の自分、今の自分について語ってもらう というもの。インタビュアーが能弁でなく人見知りな分 かえって答える側の誠意を感じさせて面白いものになってると思う。 私の十五歳のときは語るまでもありませんが今とほとんど変わりません。 三十五歳になっても基本的には変わってないのではなかろうか。 ちなみにうちの父は十五歳の時にはとっくに喫煙家だったみたいです。
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