よるの読書日記
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2003年01月10日(金) 野菊の君

『天国への階段』上<白川道/幻冬舎>
佐藤浩市の連続ドラマを先に見ていて、どうもラストが
唐突な感じだったので原作を読もうと思ったのですが。
うう、あのストイックな感じの主人公はどこへ……。
水商売の愛人にかつての恋人にちなんだ源氏名つけるって、
私だったら呼ばれる方にもちなまれた方になるのも絶対否だ。
光源氏の昔から、男の人って初恋の呪縛からは
解き放たれないのかしら。原作ではほとんど
描写されていない「お飾り」の妻の苦悩を、原作には
ない設定でドラマの脚本家が強く打ち出したのが
わかる気がします。
初恋の思い出に対する純粋さと、結婚さえも権力や
世間体のための方便にしてしまう冷徹さを持っている人を
好きになってしまったら、きっと辛いぞ。

しかしわずかな光明としては、職務に没頭している
刑事さんがイイ感じ。きっとカツ丼を取ってくれるに違いない。


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