よるの読書日記
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| 2002年02月22日(金) |
そう言えば まだ初詣に 行ってない(字余り) |
『神の名は』 1 2<楠桂/角川書店> 7歳の頃、『妖魔』<集英社>に始まり楠桂は ひたすら怖いマンガを書くおねえちゃんだった。 17歳の時、同じ作品を読み返してこの人天才だと思った。 そんな彼女の(たぶん)最後の伝奇ロマンもの。 となれば買うしかないでしょ!
舞台は血で血を洗う戦国時代、飢えと憎しみと歎きに苦しむ 人々のもとに現れた異国の悪神――サタン。 人間を愛する日の本の天狗神(あまのざこがみ)と共に、 姉を奪い自らを不死に変えた神を討つべく 立ち上がったのは人のままの心を持つ猿田彦。 止まない慟哭。生と死、善と悪、光と闇――。
楠桂というとどたばたオカルトコメディっぽい作品も たくさんあるしそれも面白いんだけど、 この人本来の切れ味はやはりこの手の どシリアスホラーの方が冴えてます。 人を見る目が怖いほどダークだと思う。 いつもはそこでつっこんでお笑いにしちゃうところを、 突き放して描いている冷たさ。 谷山浩子が好きだとかいうのもその二面性がうかがえます。 しかし連載してた雑誌が休刊とは、不憫な…。 私みたいなコミックス派の読者が存在するのも悪いのかしら。 ごめんね。
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