よるの読書日記
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超能力物から時代物、幅の広い推理小説でお馴染みの ミヤベさんですが、長編作家だと思ってただけに 『われらが隣人の犯罪』<宮部みゆき/文芸春秋社>には やられたかも。ホントうまいわこの人。 2作目の『この子誰の子』は、阿刀田高の 『過去を運ぶ足』<文春文庫>を思い出させました。 あっちは怖い系だったけどね。
この本だけでなく子供が活躍するのが多い傾向は、いつも 仁木悦子を彷彿とさせます。 彼女、第1回江戸川乱歩賞作家なのに亡くなってから 書店であまり作品を見かけなくなってしまった(泣)。どうして?
二人に共通するのは大人から見た無邪気で正義感に溢れた 「少年探偵団」ではなく、本当は大人以上に真実を見抜く力を 持っているし、自分をガキだとちゃんと知っていて、 時には大人が子供に知られたくないことを知らない振りが できる賢い子を書くのが上手だと言うこと。 宮部ファンなら仁木悦子も面白いと思ってくれるんじゃないかな〜。 あと、骨太なトリックが売りなので刑事が時刻表調べたり 探偵が犯人の美女と恋に落ちるパターンの推理物はちょっと、 という本格ミステリー好きの通なアナタにもオススメです。
―――宮部みゆきの話なのでした。 最近知ったのですが大沢オフィスの公式サイトは面白いです、 特に3人の作家への質問ページが。 新刊の著者略歴に乗るまで公式サイトに気づかなかったと 言うのがいかにもよるらしい片手落ち。 京極氏はともかく大沢在昌氏はまだ読んだことないな。 新宿鮫か…。
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