よるの読書日記
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「光の帝国」<恩田陸/集英社文庫>
長寿や予知、芸術など、常人とは違う 素晴らしい才能を持つ常野一族を描いた作品です。 巻頭の「大きな引き出し」は、暗記力を持つ春田一家の物語。 「虫干し」って発想が面白いですね。 情報を吸収していくと飽和状態になるので、 それを並び替え、取り出しやすいように七〜十日眠る。 ハードディスクのデフラグみたいなもん?
そして表題作の「光の帝国」は、 戦時中に常野の子供達を襲った哀しい物語。 もしものすごい能力を持つ者がいると知ったら 利用してやろうと考える大馬鹿野郎がいても不思議じゃない。 頑是無い子供に何てことするんだ! と勝手に日本軍を恨む私。小説だってば。 でもここで出て来るような特殊部隊の連中が、 実験と称して外国で、罪もない人々を 苦しめたことは事実なんだよね。 あー、許せん。哀しい。
ところで惚れこんだ作品のあとがきに 次回作の構想とか書かれると 早く書いてくれー!!と、身悶えしたくなります。 あの、寡作で遅筆な新井素子さんなんか頭の中に 千年分架空王朝の興亡が入ってるらしいのよ。 やめてー、書けないなら言わないで〜!!
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