去年 三軒茶屋の駅で40代の会社員が 若い男2人に暴行され殺された事件の公判があった。
その時の裁判長が さだまさしの大昔の歌を引き合いに出して 「ちゃんと反省せんかいや」と諭したことがきっかけで その歌「償い」がこないだから何度もTVで流れる。
その歌は職場の友人の視点である男を歌っている。
毎月、毎月、薄い給料袋を手にするとすぐ角の郵便局へ行く彼。 職場では「貯金が趣味の男」とからかわれてもニコニコ笑う彼。 でも俺だけが知っている、彼のたった1回の過ち。
配達の帰り 雨で濡れた横断歩道でブレーキ踏むのが遅くて その時彼はとっても疲れていて。
人殺し、あんたを許さない その人の奥さんはなじる。 彼は土下座しながらただ泣いて詫びる。
それから 働いて働いて 許されるわけはないけど 償いとして給料から仕送りしながら 7年。
7年たったある日 その人の奥さんから 初めて手紙が。 「あなたの気持ちは よく わかった。 だから もう仕送りはやめてください。 そして どうかこれからはあなたの人生を取り戻すことに使って」
その手紙を 彼は泣きじゃくりながら読み 俺もその横で泣けて泣けて仕方なかった。
そんな内容 実際は もっと深い歌詞だったかもしれない。 ご主人を交通事故で亡くされた知人から聞いた実話を 20年以上前にさだまさしが歌にしたという。
何十年も前の死が歌になり この度それにスポットがあたり 事故で亡くなった人も 奥様の気持ちも それを歌にした人間の気持ちも それをレコードにしようと思った スタッフの思いも そして 事故を起こした人の後悔の日々も 意味をなして 今ここに ある。
三茶事件の犯人たちは懲役3年〜5年といわれ 反省の弁を述べながらも 先にいちゃもんつけてきたのは相手やって言ってた。
彼らはこの歌 聞くことができたのだろうか。
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