目口覚書
■目口覚書■
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2001年12月25日(火) 東京ミレナリオ初日に行く!!!(無謀)

イブ。
恋人たちは渋谷で、池袋で、お台場で、TDLで、
梅田で、ミナミで、USJで、大阪城公園で、通天閣で
大通り公園で、青葉城で、葛西臨海公園で、山下公園で、
北野で、ポートピアランドで、ハーバーランドで
栄で、帯屋町で、八丁堀で、紙屋町で、中州で
国際通りで、ワイキキで、サンタモニカで

それぞれのクリスマスを楽しむ。
女達は今夜の勝負下着の引き換えに
彼の持つ包み紙の柄で、4℃かテファニーかヴィトンか
プラダかカルチェか それが何かを察知する。

男達は今夜リザーブした部屋へ早く行きたくて
ディナーも夜景を見ながらのバータイムも
まどろっこしいが それは一連の所作、そう
まるで歌舞伎の勧進帳のように決められたルールにのっとって
コトを進めねばならぬから 作り笑顔と共に従う。



さて
わたしのイブはダンナさん実家の店(喫茶店)のトイレ掃除から始まった。
ええ 磨きましたとも。
自分ちのトイレ掃除もまだだというのに、
嫁いで初めてのイブを 「よか嫁ごぢゃ」と思われたい一心で
便器の前でしがみこんで サンポールのしぶきを顔面にうけつつ
ええ 一生懸命。

頑張りすぎて 腰をすっかりやられ 老齢の新妻はふらふらでした。

朝から、いえ昨夜からろくに口もきかない妻の顔色をちらっと
見ているダンナさんには気がついていましたが
それに反応する元気もございません。

我が家には 米が残り少なく。
あぁ 米、米、米買いにいかなきゃぁだなぁ・・・・
呟いた妻に、「うん!うん!行こう!行こう!」と
めっちゃカラ元気で追随する夫。

(ふん。こんな時だけ)
鼻先で吐息を。

「あぁ〜 今日はイブかぁああ・・・・」
聞こえよがしな イケズな妻の独り言。
「うん!イブだねっ。ハニ〜 イブだねっ。」
(・・・・・)
「お米は明日にしてさっ 今からイブ、しに行こうかっ?」
(横目で・・・・・)

「・・・わたし、明日独りでミレナリオ行くもん・・・」
「あ、え。お!今行こう!今日行こう!ミレナリオ行こう!」

その時午後6時過ぎ。
その日イブがミレナリオ初日などとは彼は知らない。

神戸出身者の私は ルミナリエ歴6年。いわば電飾見学のプロだ。
たかが地方都市のイベントに どれほどの人間が集まるのか
その密集度合いは 地方から観光バスが繰り出すほどに
息が詰まりそうであり、真冬だというのに、汗でびっしょりになる。
たかが神戸がその騒ぎである。

ニッポンの首都東京、その駅前丸ノ内
いったいどれほどの人口が集まるのか。
「死んでも知らんぞ」なんですかマンのように呟く。

さて、東京駅丸ノ内北口。
すでに隣の人との間隔ゼロ。
押されて着膨れが凹み、マイナス5cmだったかもしれぬ。

無類の人ごみ嫌い。
しかも煙草が吸えない。
そんな苦痛を強いられながら
ほんの数十m先に、60分かかる難行苦行に
彼は挑んだ。


「ハニ〜。はぐれちゃだめだよ〜」
としっかりと手を握り(いつも手をつないで歩いているのだが
ここしばらくは触れることもなかった)
人並み脱水機のような波に飛びこんでいった。

彼にとってはタイタニック沈没前に1、2の3で海に2人で飛び込む
ローズとジャックの気分だっただろう。

東京ミレナリオは21時までの点灯。(早すぎ。神戸は22時までついてるぞ)
あれ、20時に東京着いて、さーやっとこれから見るぞっていう直前で
消灯されたら 暴れるやろな。
(実際暴れて「オマエは警察手帳もってるのか!」と警備のバイトに
くってかかっている壊れたオヤジがいた)

そもそも神戸のルミナリエは
震災の年、鎮魂のために行なわれたものだ。
だから今のようなイベントのお祭り騒ぎではなく
むしろ荘厳な、教会の中へ入りこむような
それでいて こぼれそうな輝く灯りが 震災のさまざまなことを
洗ってくれるようで、泣きながら光りのアーチをくぐる人も
少なくなかった。


そんなことを話しながら、亀の歩みと言ったら亀が怒るような速度で
キラキラのトンネルをくぐる。

きれいでしたが、うーん。
TVで見てるほうがかしこいとおもいます。
それと、正規ルートを歩いては正直者はばかをみます。
それは神戸と一緒でした。
(これから行かれる方は 丸ノ内中央口から横入りしたほうが
絶対早く目的地へ着けます。)

丸ノ内から有楽町までの一方通行なので
国際フォーラムに出てからは、2年前初めてのデートで行った居酒屋
なんかにも行ってしまいました。
イブに居酒屋かよ、なんて文句はいいません。
だって牡蠣酢がおいしくて2杯もおかわりしちゃったし。
やっぱイブには牡蠣ですね。

「なつかしーねー。ここ。
あの時、はじめてプリクラ撮ったっけねー」

そんな話しをしていたらわたしの鉄板のような硬い心も
和らいできました。

帰りはケーキをホールで買って
部屋でろうそくを灯したころには日付けはかわっていました。

そういや 今日は大掃除からはじまったんだ。
腰の痛みに思い出す。
なんかてんこもりなイブでしたが 
一番頑張ったダンナさんには敢闘賞をあげましょう。

ということで イブ家出ではなくふたりでイブの家路を
ぼろぼろにでも笑いながら辿りつきましたとさ。

モヘジさん、ご心配ありがとうございました(^^)

さて、クリスマス本番の今日、仕事が休みの彼は
朝から実家店のイベント手伝いに、身体に鞭打って出かけました。
いやはや ご苦労。


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