目口覚書
■目口覚書■
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2001年12月12日(水) 運の使いきり

北国では、観測史上記録的な量の雪が降り積もっているらしい。
ここ江戸のはずれにも、凛とした寒さが訪れ頬がピンと張るようだ。

そんな朝、私は居住まいを正し 墨をすりだす。
傍らには茶釜が湯気を出し、狭い茶室を暖める。
部屋いっぱいに墨のにほひがたちこめ、
真っ白な半紙の前でひとふでおろす
その緊張感を身体全体に感じる。

夫が休みの今朝は、そうありたかった。
貧しくても 清く正しく美しい朝を迎えたかった。

でも 起きたら昼で。
昼なのに 起きたままのカッコで外を覗いたら やっぱりまだゴミ回収車は
きていなかったので 生ゴミを出す。もうそのあたりから落ち込みは始まる。

そしてまだ寝ようと思った私に呆れたダンナさんは外出に誘った。
あぁ久しぶりのデート。
昼まで寝ててもいいことあるのですね。どこへ行くのだろう。
デズニーシーかしら。映画かしら。

そこは銀色の玉がコロコロころがる遊技場だった。
そう、あのニコラスケイジも「FEVER−−−!!!」と叫ぶ あの場所だ。

私は あんな煙草の煙まみれの 乾燥しまくりの 
何より 汗水たらして働いた金をうすっぺらいカードに変えて
どんどん回転していくような
そんな場所には 近寄りたくなかった。

でも休日を一緒に過ごしたかったから 
可愛い女心がその禁断の地に足を踏み入れてさせてしまった。
・・・・・・・
・・・・・・・

その結果
私は、なぜか傍らに銀色の玉いっぱいになった大きな箱を積み上げて
夫の勝負運も私が吸い取ったが如く どんどん箱を積み上げて
「おめでとうございます!10000連発!」なんて看板を頭の先に立てられて。

あぁ 神様
なぜかわたしはとても罪悪感に苛まれています。
こんなふうにお金を手にするなんて わたしはどうもダメです。
せっかくだから楽しく遊べばいいのだけれど、あっというまに
ななまんえんも手にしてしまって とても落ち込んでいます。

今年の運はすべて使いきってますね?
っていうか きっと年末ジャンボは ダメですね?
やっぱり、寒い日は朝から墨をするような
そんな生活って わたしにはほど遠いですね?


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